■FRBはハト派から、突然タカ派に変わった
6月16日(水)に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果は、政策金利などは据え置きでしたが、ドットチャートでは2023年末までに利上げが2回との見通しで、これはサプライズになり、米ドル高となりました。
(出所:FRB)
(出所:IG証券)
前回までは、2023年末までゼロ金利政策が継続されるとされていましたが、今回は1回の利上げの可能性は予想はされていたものの、18人中13人が利上げ、そのうち11人は2回の利上げを予想しています。
据え置きは5名ですが、6回の利上げも2名もいるため、FRB(米連邦準備制度理事会)メンバーでかなりの差が出てきています。
そして、2022年も利上げが7人と、こちらも増加しています。
インフレについても、パウエルFRB議長は「FRBの予想以上に上昇し持続する可能性がある」と発言しています。
FRBはこれまでハト派だったところから、突然タカ派に変わったように思います
6月18日(金)や22日(火)に、ブラード米セントルイス連銀総裁の発言がありましたが、こちらもタカ派に変わっています。
「インフレが加速すれば2022年後半に利上げする見通し」、「上サイドのインフレに備える必要がある」、「テーパリングの議論を始める時期にきている」など、タカ派な発言になっています。
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■米ドル高継続なら、ユーロ/ドル、豪ドル/ドルは戻り売り
これらを受けて、株式市場は下がり、為替市場は米ドル高に推移し、ユーロ/米ドルは1.1847ドルまで下がりました。
ただ4時間足では、MACDなどが売られ過ぎの状態になっており、昨日(6月21日)は反発しています。
(出所:IG証券)
FRBの金融政策が、緩和策から出口へ転換し始めたこともあり、今後もまだ米ドル高になる可能性があると考えています。
ドルインデックスでは、超長期では2018年の安値から反発、今年(2021年)の年初の安値からも反発しているため、まずは3月31日(水)の93.40を目指すような動きが出てくるのではないかと思います。
(出所:IG証券)
そうであれば、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルなども下がる可能性があります。
今は4時間足で売られ過ぎのため、反発していますが、戻ったところでは売りでいいのではないかと思います。
(出所:IG証券)
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■豪州、英国、ニュージーランドも出口に向かう流れか
今週(6月21日~)は、24日(木)にBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の金融政策会合があります。
7月6日(火)には、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])もあります。
カナダはすでにテーパリング(※)をしており、ニュージーランドは来年(2022年)に利上げが予想され、英国や豪州も、FRBが出口に向かうのであれば、同じように出口に向かいやすいと思います。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
【参考記事】
●NZ中銀は2023年末までに5回利上げも。ニュージーランドドルは長期的に買い方向で(6月1日、バカラ村)
●4月FOMCでのテーパリング示唆は見送りか。GWは海外勢の仕掛け的な円買いの可能性(4月27日、バカラ村)
今後は、各国の金融政策が重要になってきます。
基本的には出口に向かいやすいため、そのイベントでは通貨高(対象の国の通貨が買われる)になりやすいと考えていた方がいいのではないかと思います。
ただ日銀だけは、出口はまだ考える必要も無いと思います。
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