<お知らせ>
「バカラ村の『FX専業トレーダーの相場観』」は、2023年8月8日の更新をもって連載を終了いたしました。長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。
8月10日の米CPIも重要だが、8月11日の米PPI&ミシガン大学消費者態度指数のほうが、より注目されるか
先週(7月31日~)は米雇用統計が発表され、ほぼ予想どおりの数字となりましたが、米ドル/円はこのところ強かったことへの反発なのか、やや米ドル安となりました。
ただ、週が開けた月曜日(8月7日)は142円台へ戻しており、大きな値動きはありません。
(出所:TradingView)
今週(8月7日~)、8月10日(木)には米CPI(消費者物価指数)の発表を控えているものの、この数カ月は昨年ほどの大きな値幅が出ていません。
米PPI(卸売物価指数)、ミシガン大学消費者態度指数が発表される翌8月11日(金)のほうが重要となるかもしれません。
次の大きなイベントは、8月24日(木)から開かれるジャクソンホール会合です。
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9月の利上げについてFOMC(米連邦公開市場委員会)、ECB(欧州中央銀行)ともに「データ次第」としていますが、なんらかのヒントが出てきやすい時期での開催となります。
ジャクソンホールでの要人発言によって、相場が動き出す可能性がありそうです。
いずれにせよ、8月は円高になりやすいアノマリーがあり、介入警戒感が高まる145円が近いことからも、今月は上値の重い展開が続きそうです。
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「2007年8月の教訓」に学ぶ、日米金利差の重要性
中期的な話となりますが、8月に下げたところが目先の底となり、年末に向けて上がっていくというイメージを考えています。
カギを握るのは、やはり日米金利差です。
米利上げが打ち止めだとしても、利下げに転じるのはまだ先です。金利先物市場から算出されるFEDウォッチを見ると、利下げ開始は来年(2024年)3月。
日銀も、急激な金利上昇を食い止めるための臨時オペを繰り返しており、少なくとも年内は日米金利差が高止まりするのではないでしょうか。
日米金利差が現在と同じく4%を超える高い水準にあった2007年8月16日(木)、お盆の時期に起きたのが「パリバショック」です。
BNPパリバ銀行が、ファンドの解約を凍結したことに端を発する金融ショックで、翌年(2008年)9月のリーマンショックへとつながっていきます。
パリバショックでは、米ドル/円が1日で約5円も下落しました。
しかし、リーマンショックが起こることなど知るよしもなく、なにより大きな金利差がありましたから、「金融ショックは買い場」とされ、米ドル/円は9月、10月と上昇していきました。
(出所:TradingView)
この夏、金融ショックが起きるような火種は見当たりませんが、潜在的に米ドル/円が買われやすい環境にあるのは2007年と同じだと考えています。
「137円割れで損切り」を前提に、トレード戦略を組み立てていく
米国の著名エコノミストが今年後半、米経済がマイナス成長に陥る可能性がある、と指摘していたレポートが目を引きましたが、こうした報道や小さなショックで、米ドル/円が急落しても、2007年のパリバショックが買い場とされたように、「下げたところで拾いたい」と考えている投資家は多いのではないでしょうか。
145円は大きな節目ですが、年内に超えてくる可能性もあると考えています。
一方の下値ですが、先週のコラムも書いたように137~138円は「鉄壁」です。
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⇒米ドル/円を今週は買い! 日銀会合後の円高が137~138円の「鉄壁」で止まったのなら、145円を目指し、超える可能性も。金融ショックの気配も、1週間程度はなさそう(8月1日、バカラ村)
(出所:TradingView)
ここを下抜けた場合には買いポジションを損切りし、相場感をリセットする必要があります。
逆に言えば、「137円を最終的な損切りラインとしたときにどこで買えばいいか」を考える相場が、年内は続くのではないかとも考えています。
6年間続いた連載も最終回。今まで大変ありがとうございました
以上、いつもと違い、中期目線の話を書いたのは、毎週続けてきたこの連載が今回で最後となるためです。
この連載は、2017年3月のメルマガ創刊をきっかけに始まりました。そのメルマガも9月末で終了となります。
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なんの後ろ盾もない個人投資家のメルマガでしたが、創刊直後から、驚くほど多くの読者に恵まれました。
皆さんが購読してくれるきっかけのひとつとなったかもしれないのが、「ロビンスカップ」での優勝です。
優勝したのは2015年の大会でしたが、メルマガ創刊と同時に発表したこともあり、話題になりました。
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⇒個人投資家・バカラ村氏が重大発表! トランプ相場で儲けた秘策も明かします
当時も今も繰り返し聞かれるのが、「個人として儲けているのに、なぜメルマガを出すのか?」との質問です。
相場の世界では「人の真似をして取引しても儲からない」「ちゃんと自分で考えなければ儲からない」と言われますが、それに風穴を開けたかったというのが、僕の答えでした。
何も考えなくても、メルマガのトレードを「真似をするだけで儲かる」というコンセプトは創刊当時からずっと変わりません。
そのコンセプトはかなりの程度、実現できたのではないかと思っています。
「真似するだけで儲かるメルマガ」は実現できたのか
メルマガを配信しながら参加した「ロビンスカップ・ジャパンFX2017」も優勝することができましたし、ザイFX!でも、メルマガの実績についての記事を繰り返し取り上げてもらいました。
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(「FXメルマガ通りに売買しただけで1000万円の元手は1.5倍に!」より抜粋)
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(「バカラ村さんはガチの天才です! メルマガトレードで2年連続50%増! 利益2000万円!」より抜粋)
月単位でマイナスになることはありましたが、半年から1年程度の期間で切り取れば、ほぼ負けていないのではないかと思います。
メルマガのトレードを真似するだけで、これと同じような収益になっていたと思います。
2022年からの獲得pips数は下記のようになり、8月7日(月)時点では、1465pipsと2022年以降の最高地点に達しています。
(※高城泰作成)
さまざまな出会いに恵まれたメルマガも、9月末の終了まであと2カ月弱
メルマガの配信中は、さまざまな出会いにも恵まれました。
AKB48に在籍中だった武藤十夢さんへ、FXを教えたこともありました。武藤さんのまじめさ、勉強熱心さには驚かされました。
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⇒AKB48武藤十夢がスイングトレードで覚醒!? 急激な円安を乗り切って自己最高益を達成!
⇒コメントテーマは「新年度」。十夢が新年度に始めたことは…?
メルマガ読者とのオフ会やメール、ツイッター(現在X)などでもらった暖かい言葉には、前向きな力をもらいましたし、ザイFX!編集部の方々、そして私の文章を分かりやすくしてくれた高城さんにも大変お世話になりました。皆さまには感謝しかありません。ありがとうございました。
さまざまな方との出会いがあって続けてきたメルマガですが、9月末の終了まであと2カ月弱となりした。
9月16日(土)には、メルマガ読者との最後のオフ会を行います。
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(※8月・9月に「有料購読者」であることが参加条件。申し込み時点で無料購読期間中でも申し込み可能)
一時は中断していた、皆さまとの質疑応答も復活させています。よかったら最後の機会にご購読ください。
メルマガよりも一足先に、この連載は最終回となります。今まで購読していただきありがとうございました。
皆様が今後も良いトレードができることをお祈りしています。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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