■米雇用統計の発表後、瞬間的に米ドル高後は反転
先週(6月28日~)は、米国の雇用統計の発表がありました。
手厚い失業給付がなくなってくるため、雇用の伸びが注目されていました。
発表された6月のNFP(非農業部門雇用者数)は85万人増と、予想値の70万人増よりも良かったことで、瞬間的に米ドル高になりました。
米ドル/円は一時、111.65円まで上昇し、ユーロ/米ドルは、一時1.1806ドルまで下がっています。
しかし、失業率が5.9%と悪化し、そして、7月5日(月)は独立記念日の振替休日となり3連休になるため、ポジション調整の米ドル売りも重なって、米ドル/円は一時、110.79円まで、ユーロ/米ドルは1.1880ドルまで米ドル安へ推移しています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
7月2日(金)のローソク足の形が、ユーロ/米ドルは下ヒゲとなり、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルなどは包み足となっていること、ストキャスティクスやRSIなどがダイバージェンスを起こしていることもあり、まだ上昇する(米ドル安に推移する)可能性のある形となっています。
【参考コンテンツ】
●【FX初心者のための基礎知識入門・第5章テクニカル分析入門】ダイバージェンスの発生は相場転換の予兆!?オシレーター指標と価格の動きがバラバラ
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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■RBA金融政策に、過度なトレンド発生期待は禁物
今週は(7月5日~)、6日(火)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会、7日(水)深夜にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の公表があります。
【参考記事】
●今週は、ポジション調整の動きがメインに。ユーロと豪ドルは、対ドルで売り目線維持(6月29日、バカラ村)
RBA理事会は、政策金利は据え置き予想ですが、債券購入プログラムが延長されるのか、そしてロウ総裁の会見が注目されます。
市場予想は、タカ派な考えとハト派な考えに分かれているため、どちらであっても豪ドルは動く可能性が高そうです。
(出所:TradingView)
ただ、最近の金融政策会合の内容では、トレンドが続かないことが多く、今回のRBA理事会の内容でも動きは1日程度、サプライズがあれば3日程度、それ以降はトレンドは続かないように思います。
たとえば、5月の英国のMPC(金融政策委員会)では、債券購入ペースを減速することを決定しました。これは英ポンド買い材料になります(テーパリング(※)ではないと否定しましたが)。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
【参考記事】
●米雇用統計が驚くほど弱く、米ドル急落。英ポンド/米ドルは、今年高値トライを期待(5月11日、バカラ村)
チャートからも、英ポンド/米ドルはもみ合いを突破したため、上昇が続くような形でしたが、しかしその動きも3日程度で止まっています。
先月(6月)のFOMCでは、2023年に2回の利上げがFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーによって予想され、これはサプライズでしたが、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなど、米ドル高は3日間しか続いていません。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月21日、バカラ村)
今回のRBAの金融政策でも、過度にトレンド発生を期待しない方がいいかもしれません。
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■長期的には、まだ米ドル高が期待できそう
FOMCで米ドル高となり、現在はその動きは止まっていますが、ただテーパリングは来月(8月)26日(木)~28日(土)のジャクソンホールの経済シンポジウム、もしくは9月21(火)~22日(水)のFOMCで示唆されると思いますので、これは米ドル高の材料になると思います。
金融政策会合での動きはすぐに止まりますが、大きな流れとしては米ドル高でいいのではないかと考えています。
動きが続かない相場が続いていることもあり、そのため時間軸を長くしてチャートを見た場合、英ポンド/米ドルや英ポンド/円は週足では重要な高値から下がってきています
英ポンド/米ドルは、2018年に1.43ドル台で2度上値を止められ、今年(2021年)2月に1.4237ドル、5月には1.4248ドルで高値を止められています。
(出所:TradingView)
長期的には、レンジ上限と受け取れるような水準で止まっていることになります。
英ポンド/円も、2018年1月に156.60円で上昇が止まっており、今年(2021年)5月にほぼ同じような水準の156.07円で上昇が止まっています。
(出所:TradingView)
英ポンド/米ドルも、英ポンド/円も長期では上限まで到達し、今はその調整の動きになります。
豪ドル/米ドルでは、2015年から0.81ドル台で何度も上昇が止まっており、今年(2021年)2月に0.8007ドルまで上昇しましたが、同じような水準で止まり、現在は調整の動きとなります。
(出所:TradingView)
長期のチャートになるため、日足では米ドル安になる局面もあると思います
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