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ジャクソンホールでの、パウエルFRB議長の
講演テーマは「ハト派」な匂いがプンプン。
米国株が月半ばに下落するワケとは…!?

2021年08月25日(水)18:31公開 (2021年08月25日(水)18:31更新)
志摩力男

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ジャクソンホール会議のパウエル議長の講演には「ハト派」な匂いがプンプン漂う

 8月27日(金)、ジャクソンホール会議が開かれますが、今回はオンラインでの開催になりました。

【参考記事】
ジャクソンホール会議が行われる建物はジャクソンホール? なぜ、ジャクソンホールは世界中のトレーダーの注目を集めるのか?(8月23日公開)

 市場の注目は日本時間23時に行われる、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の講演。今回の会議のテーマは「不均等な経済におけるマクロ経済政策」

8月27日、ジャクソンホール会議がオンラインで開催される。注目されるパウエルFRB議長の講演テーマは「不均衡な経済におけるマクロ経済政策」となっている (Bloomberg/GettyImages)

8月27日、ジャクソンホール会議がオンラインで開催される。注目されるパウエルFRB議長の講演テーマは「不均衡な経済におけるマクロ経済政策」となっている  (C)Bloomberg/GettyImages

このテーマだけでも、「ハト派」な匂いがプンプン漂ってきます。不均等というのは、絶好調な株式市場や不動産市場と、いまだ完全に戻らない飲食業や旅行関連のことです。

 出てくる結論も見えています。「弱者の味方?」であるFRBは、昨年(2020年)のジャクソンホール会議で決定した、インフレよりも雇用をより重視した「新しい政策の枠組み」を守り、多くの人の雇用がかつてのように戻るまで辛抱強く金融緩和を続けるべきと。

 それは確かに、社会の恵まれない層にも恩恵を与えます。米民主党左派も金融緩和を望みます。しかし、それを聞いてもっと喜ぶのは富裕層です。彼らが投資した株や不動産の価格をサポートする、そうしたFRB議長が望まれています。

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ハト派の守護神、パウエル議長はテーパリングのタイミングが遅れる可能性を強調してくるか

 先日公表された、7月開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で、テーパリング(※)に関する議論は結論が出ました。

(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

Looking ahead, most participants noted that, provided that the economy were to evolve broadly as they anticipated, they judged that it could be appropriate to start reducing the pace of asset purchases this year because they saw the Committee's "substantial further progress" criterion as satisfied with respect to the price-stability goal and as close to being satisfied with respect to the maximum-employment goal.

(今後については、ほとんどの参加者が、経済が予想通りに大きく進展するのであれば、物価安定目標については委員会の「実質的な更なる進展」の基準が満たされており、最大雇用目標についてもほぼ満たされていることから、今年中に資産購入のペースを下げ始めることが適切であると判断していると述べた)。

 もう、年内にテーパリングを始めることは、結論が出ています。あとは、タイミングだけなのです。しかし、ハト派の守護神、パウエル議長は、新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大もあり、テーパリングのタイミングが遅れる可能性があることを強調してくるのではないかと思います

 今年(2021年)は、議事録やFOMCのドット・チャートなどで、タカ派的な情報が出てくるたびに、パウエル議長がそれを打ち消す、そうしたことが繰り返されています。

【参考記事】
パウエル議長のハト派発言で米ドル上昇は落ち着く。米住宅価格急騰に市場は熱視線!(6月30日、志摩力男)

 しかも今回は、カプラン・ダラス連銀総裁も「コロナの感染状況次第では、早期にテーパリングを行うべきという見解を修正する可能性がある」ことを示唆しました。

 もっともタカ派だったカプラン氏が修正もありうると考えるのであれば、パウエル議長は決して引き締めを急がないでしょう。

【参考記事】
クラリダFRB副議長の発言で、市場のハト派ムードは一変。米ドル/円は昨年高値超えると新しい上昇トレンド入りか(8月11日、志摩力男)

 もっとも、実際どうなるかは、パウエル議長の講演を聞いてみるまでわかりません。予断を持ってイベントに臨まない方が良いとは思います。

米国株は調整らしい調整もなく、ただただ上がっている。市場参加者は「高所恐怖症」になっている

 残された年内のFOMCはあと3回。9月21日~22日、11月2日~3日、12月14日~15日です。

 年内ということであれば、9月にアナウンスして11月からテーパリング開始か、11月にアナウンスして12月開始か、どちらかです。しかし、ジャクソンホール会議におけるパウエル議長の講演次第では、テーパリング開始が年明けにあとずれする可能性も出てくるでしょう。

 ハト派的な内容であれば、「リスクオン」となり、株価は上昇し、商品価格も上昇、豪ドル/円やカナダドル/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇するシナリオが見えてきます。

 最近の米国株は調整らしい調整もなく、ただただ上がっていきます。通常の年は、5月から10月ぐらいまでは調整の時期ですが、それもありませんでした。

参加者は「高所恐怖症」になっているのでしょう。最近のS&P500などのチャートを見ると、月の半ばに調整局面があるのですが、あまり下落せず、その後、反発局面となっています

S&P500指数 日足
S&P500指数 日足

(出所:TradingView

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なぜ、月の半ばに米国株は下落するのか?この習性を使えば、クロス円ショートの買い戻しタイミングがわかる

 では、なぜ月の半ば(実はこのところなぜか19日)に米国株は下落するのか?

 ここは完全にはわからないところですが、今月(8月)の動きを見ると、オプションの期限に絡んでいるようにも見えます

 毎月第3金曜日が満期日になりますが、それに向けてプットオプションを買ったり、高いコストをかけてヘッジする動きが見えますが、結局下げきらないので、その後買い戻される、そういうパターンなのでしょう。

 今のマーケットは、どうしても米国株が王様です。米国株と豪ドル/円のチャートを重ねると、豪ドル/円は下落トレンド、米国株は上昇トレンドで、まったく違うのですが、天底は同じです。

NYダウ&豪ドル/円 日足
NYダウ&豪ドル/円 日足

(出所:TradingView

 米国株が月の半ばに下げるが、必ず反発する習性がわかっていれば、クロス円ショートの買い戻しのタイミングがわかります。こうしたことも、為替トレードの参考になるのではと思います。


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