ジャクソンホールでのパウエル議長の講演は、リモート出演で行われた。これではワイオミング州でやる意味がなさそうなものだが、形式的に仕方がない。内容は従来の見解を踏襲したものであり、また直近に語られはじめていたFEDメンバーの意見も踏まえてのものとなった。
肝心のテイパリングについては年内に始めるのが妥当としたので、タイトニングに前向きになっているのかとも思われたが、すぐに「利上げの時期を示すものではない」としてフォローが入った。またインフレは一時的であると強調し、最大雇用にはまだ時間がかかるとした。
おおむねマーケットを驚かすようなことはなく、むしろ利上げを急がないことが判明したので、ドル金利は低下。それを好感して米国株は上昇し、史上最高値をつけることとなった。為替相場でもドル相場は軟化。ユーロドルは1.18台を見るに至っており、ドル円は109円台に突入してからは戻りがなく、そのまま安値引けとなった。
さんざんジャクソンホール期待と言うことで騒いだ先週のマーケットだったが、結局のところ、為替相場は小動きだったと言えよう。ユーロドルはほとんどの時間を1.17台で過ごし、ドル円も含めて1日の変動幅が20ポイントくらいしかない日々が続いた。材料出尽くしとなった現時点で、これから相場が大きく動くのかなと心許ない。
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