ハンガリーはユーロ圏の国ではありませんが、経済圏としてはユーロ圏内の国のようなもので、周辺国にも影響が及んでいるということが、ヨーロッパ経済に対する不安感を広げています。

現状のユーロ圏各国の10年物国債の利回りを見てみると、ギリシャが8.13%、ポルトガルが5.2%、スペインが4.56%となっていて、同じくユーロ圏内にあるドイツの2.56%と比べると、どこもかなり高いということがわかります。
この差は、言ってみれば、その国の信用力の差ということです。これが6%近くあるということは、デフォルト(債務不履行)するかもしれないということを投資家が警戒しているということにほかなりません。

ギリシャはすでにEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)から多額の買い入れを行っていて、当面は国債の償還に支障がありません。
しかし、それにもかかわらず、金利が低下してこないということがこの問題の根の深さを物語っています。
■引き続き、ユーロの戻り売りを基本戦略に!
これから何が問題になってくるかと言いますと、おそらく、格付けなのではないかと思っています。
近い将来、ユーロ圏のどこかの国が格下げのターゲットにされるときが再びやってくるのではないでしょうか?
そうなったときは、ユーロに売り圧力がかかってくるでしょう。
全体的には方向感の乏しい相場となっているわけですが、ユーロが継続的に上昇するような環境ではないと信じて、ユーロの戻り売りを基本戦略にする今までのスタンスを維持しておきたいと思います。
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