昨日、第二次大戦後では初めてという連立内閣がイギリスで成立した。ドイツのように連立が当たり前という国と違って、連立なんて上手くいくのかという懐疑的な見方が多いような感じだ。ユーロ圏が抱える財政問題の本尊のひとつと思われているのはイギリスである。財政問題はひとえに政府がどう対処できるかにかかっているため、新首相誕生のお祝いムードもすぐに剥がれてくるのではとポンド売りで見ていた。
欧州市場に入ると、スペインが財政削減案を発表したことを好感して、ユーロ、ポンドは大幅高。先週末の急落後もポンドドルは1.50台を回復してもすぐに反落してくるので、私は1.50をロスカットにしようと思っていたくらいだ。今週の高値1.5054手前まで暴騰してきた。だが、やはりすぐに勢いは衰えてきたため、喜んでポンドドルのショートをつくった。
アジア時間のうちに一度は1.49台ミドルで入ろうかと思っていたくらいなので、なんだかとても得した気分。今月の安値である1.44台をターゲットにしていたが、ニューヨーク市場で1.48台前半まで下がってくると、なんだか満足してしまい、ポジションをクローズしてしまった。ユーロドルも1.26台前半まで売られていたが、ユーロの先安観の根強さを感じる。
本日は中国株などが午後になって切り返してきたため、株高の局面では買われやすいドル円、クロス円は欧州スタートでは上昇して始まった。ドル円も93円台ミドルを大きく乗り越えて上にいくのかどうか見ていたが、また反落してきた。それどころか欧州通貨売りが進み、ユーロドルはついに1.25台に突入してしまった。ユーロはスイスフランに対してはまたユーロ創設以来の最安値を更新した。
ポンドドルも1.47台のミドルである。せっかく勢い込んで昨日ポンドドルショートをつくっていたのに…。先ほどまで150ポイント以上も上でやっていたのだから、都合のよい面だけで悔しがってもしかたがないか。
今晩も経済指標は重要なものがなく、バーナンキ議長などFRB要人の発言くらい。米国株は先週の急落前のレベルにまで戻った。ドル円、ユーロ円なども動きに乏しく、短期的には持ち合い状態になっている。
どちらに跳ねるかはリスク量の方向を計るうえでも、やはり株価動向を参考にするしかない。また金価格は連日で最高値を更新し、銀価格などにも波及してきている。基本的に国債などの債券すらも財政問題で積極的に買えないため、結果として将来的な通貨に対して不安の裏返しのようになっている。
ユーロ円は先週の安値110.50と今週の月曜につけた戻し高値である122.28の半値が116.39である。下落してきてもたいてい116円台の中盤で止められている。このレベルを割れてくれば面白いかもしれない。
日本時間 19時00分
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