■金(ゴールド)市場大荒れ! 上昇し続けた金が急落へ!
ここのところ、金融市場が荒れ模様になってきました。日米の株式市場は高値で乱高下の日が続いています。
特に大きな動きを見せているのが、金(ゴールド)市場です。先週の金曜日から今週前半にかけて、国際金価格が急落しました。NY金市場は2日間で1560ドル近辺から1300ドル台の前半まで、実に200ドル以上、下落しています。

(出所:米国FXCM)
金市場は、2008年のリーマンショック以降、安全資産として投資家の嗜好が強まったことが原因で上昇を続けてきました。
2008年には700ドル程度であった金価格は2011年には1900ドル台にまで上昇、わずか3年ほどで2.5倍近くに価格が急騰することとなったのです。

(出所:米国FXCM)
■金価格急落は必然! 金価格と世界経済は逆相関に!
私自身セミナーなどで、「金価格は世界経済が低迷しているうちは上昇を続けるでしょうが、世界経済が回復し始めたら急落するかもしれないので気をつけてください」と言ってきました。
その後、世界経済が安定したことを受けて、金価格の上昇は止まり、最近は、1550~1800ドルの中での上下が繰り返される展開が続いていたわけです。

(出所:米国FXCM)
そして、最近になって、日銀の大胆な金融緩和や米国経済が上昇基調になってきたこと、欧州金融危機に落ち着きが出てきたことで、各国の国債利回りが低下してきていることなどを受けて、世界的な景気回復に対する期待感が高まり、今回の金の急落につながったのだと思います。
ある意味、この急落は必然であったということだと思います。これからも、「金価格と世界経済は逆相関の関係にある」と基本的には考えておいたほうが良さそうです。
■G20前後に円安懸念発言が出るか…市場の反応に注意!
ところで、本日(4月18日)から始まるG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)の共同声明の原案が明らかになってきました。
原案には、「各国は通貨安競争を控えること」や「為替を政策の目標にはしないこと」が盛り込まれているようです。
この声明自体は、ある程度予想された表現であり、それほど影響のあるものではないかもしれません。しかしながら、現実としては、G20の中には最近の円安に不満を持っている国も多くあります。
会合前後に、そうした国から円安懸念発言が出てくる可能性がありますので、注意が必要だと思っています。
過去のG20を見ても、G20自体は参加国が多いため、声明文は玉虫色になることがほとんどである一方、各国の代表は、会合の前後に自分の意見を記者会見の場やマスコミのインタビューで明らかにすることが多いのです。
こうした発言に、市場が敏感に反応したケースは今までにもかなりありました。
■一時的な円高局面は円売りポジションの仕込み時!
日本としては、現在の円安はデフレ脱却のために実施した大胆な金融緩和の結果として、市場が円安に反応しただけであって、円安を誘導したわけではないという説明をすることになります。
しかし、理論的にはそうであっても、それで参加国全部が納得するとは限らない。
特に、日本と競争関係にある韓国、中国をはじめとするアジア諸国、自国の通貨高が極端に進んでいることに懸念を持っているであろうオセアニア諸国、従来から円安に懸念を示しているEU(欧州連合)諸国などに不満が蔓延してきています。
また最近は、米国の自動車業界からも、円安を懸念する声が高くなってきているのです。
そうした環境にある中では、各国の発言には十分注意が必要となってくるだろうと思います。しかし、たとえ市場が円高に反応しても、おそらくそれは一時的なものに終わると考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
中期的には株高・円安の基調に変化はないとみれば、一時的な円高局面は、円売りポジションの仕込み時になるのではないでしょうか。
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