米国が冬時間へ移行。夏時間に比べてFXの取引時間が1時間後ろ倒しに
2021年11月7日(日)、今年も米国で夏時間(サマータイム)から冬時間(標準時間)への移行が実施されます。

冬時間は3月の第2日曜日までなので、2022年3月13日(日)までということになります。この間、夏時間に比べて時計の針が1時間、後ろ倒しになります。
夏時間と冬時間の切り替えは、日本人にとってはあまりなじみがなく、日常生活を送る上での影響はほぼありませんが、FX会社の取引時間や経済指標の発表時刻が変わるため、トレーダーは知っておいたほうがいいでしょう。
【参考記事】
●米国夏時間入りは2021年3月14日(日)。取引時間や指標発表時刻の変化をチェック
●FXの取引時間は夏時間・冬時間で変わる。月曜早朝3~4時から取引できるFX会社も!
CFDの取引時間にも変更あり。ただし、原資産の取引時間の変化に準じるため、その動きはまちまち
また、米国の冬時間移行に伴い、CFDの取引時間にも変更があります。CFDの場合は、対象となる原資産の取引時間の変化に準じるため、各社取り扱い銘柄によって状況が異なります。一例として、GMOクリック証券のケースを以下に挙げておきましょう。

(出所:GMOクリック証券)
CFDは銘柄によっても細かく分かれているので、CFD取引をしている人は注意が必要ですね。
【参考コンテンツ】
●CFD比較! おすすめのCFD口座&国内の全CFD口座を紹介
IG証券とサクソバンク証券は欧州時間や豪州時間が関係してきて、切り替えは2段階に
多くのFX会社で取引時間の変更があるのは米国時間の夏時間/冬時間切り替えに伴うものですが、この他に欧州時間や豪州時間が関係してくるFX会社も一部あります。まずは、欧州時間と豪州時間について、夏時間/冬時間切り替えのタイミングをチェックしましょう。

欧州時間は10月最終日曜日、つまり10月31日(日)に夏時間から冬時間に移行、豪州時間は10月第1日曜日、つまり10月3日(日)に冬時間から夏時間に移行します。豪州時間の夏時間と冬時間が逆になっているのは、南半球の季節が北半球とは逆だからです。
そして、外資系FX会社のうち、IG証券では米国時間に加えて欧州時間、サクソバンク証券では米国時間に加えて豪州時間が取引時間に関係してくるのです。
ちなみに、この外資系FX会社2社は週明け月曜日の取引開始時刻が他社より早いことで知られています。とくにサクソバンク証券は月曜日に一番早いときで午前3時から取引が開始されます。
【参考記事】
●月曜日の窓埋めトレードを狙ってひと儲け! 午前3時からトレードすればニ度オイシイ…!?
以下の図のように、IG証券はいったん10月31日(日)に欧州時間の影響で取引開始時刻が変更となり、11月7日(日)に今度は米国時間の影響で取引終了時刻が変更になります。

同様に、サクソバンク証券の場合は、いったん10月3日(日)に豪州時間の影響で取引開始時刻が変更となり、11月7日(日)に米国時間の影響で取引終了時刻が変更になるわけです。

欧州議会は夏時間(サマータイム)を2021年で廃止することを可決! 欧州の夏時間はなくなった!?
なお、欧州議会は2019年3月にEU(欧州連合)加盟国が採用している夏時間(サマータイム)の制度を2021年で廃止する案をなんと賛成多数で可決しています。
欧州の夏時間(サマータイム)は廃止されてしまったのでしょうか?
どうもそうではないようです。
その後、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、コロナ禍への対応が優先されることになって、夏時間(サマータイム)廃止の具体的な手続きなどは進められていないようなのです。
欧州で夏時間(サマータイム)はまだ廃止されていません。したがって、今回の欧州の冬時間への移行も例年どおり、10月最終日曜日に実施されます。
今回の記事では米国の冬時間入りの概要を中心にお伝えしましたが、FX各社からは冬時間への移行を前に、取引時間変更に関する案内が出されているはずです。FX会社によって対応が微妙に異なることも考えられますので、自分が取引中のFX会社については、公式サイトなどで早めにチェックして、あわてることのないようにしておきましょう。
(山口学)
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