FOMCの金融政策、ウクライナ情勢の緊迫化でマーケットはリスク回避の動き
FOMC(米連邦公開市場委員会・次回1月25日~26日開催)の金融政策や、ウクライナ情勢の緊迫化もあり、株式市場は軟調に推移しています。
(出所:TradingView)
米国債は買われ、米長期金利は1.70%台まで低下し、リスク回避の動きになっていることから、為替市場も米ドル高・円高となり、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は下落しています。
(出所:TradingView)
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今後のFOMCの市場参加者の予想は、3月にテーパリング(※)を終了し、利上げを開始。ただ年内7回との予想もあり、そうなると、3月から毎回の会合で利上げを続けることになります。
(※2「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
年内の利上げは、3月・6月・9月・12月に行われるとの予想が多いです。
QT(量的引き締め)の開始に関しては7月からとの予想が多く、6月の会合で開始を示唆するのではないかと考えられています。
今回の会合では、金融政策の変更は予想されていませんが、3月の会合で0.50%の利上げ幅予想があり、今回はそれを示唆するのではないかという予想もあります。
FOMC後、材料出尽くしで米国株・クロス円は一時的に反発する可能性
ただ、それを市場に織り込ませるのは早すぎるように思います。
もしあるとすれば、テーパリングは3月半ばに終了予定ですが、これを2月中に早める可能性はあると思います。
市場はすでにかなりタカ派な内容も織り込んでおり、今回の会合ではそれ以上のことはないと思いますので、材料出尽くしで反発する可能性があるのではないかと思います。
米国株は下がっているため、反発し、クロス円も同じように反発する可能性があるのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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反発の可能性がありますが、ただ上昇トレンドにはならないと思いますので、今週(1月24日~)の反発は、数日程度での上昇で終わるのではないかと思います。
過去には利上げ局面でも、米国株は上昇しているような場面が多くありますが、今回はインフレへの対応を急ぐほどの状況となっており、QTも前回は利上げ後2年経ってから行いましたが、今回は4カ月後には行う可能性があるほど金融正常化を急いでいます。
それに米国株は耐えることができるのかが重要となってきますが、基本的には戻り売りの相場になりやすいと思います。
クロス円の戻り売り継続。ただ金融ショックのときのような急落にはならなさそう
そのため、為替市場はクロス円の戻り売りではないかと思います。
英ポンド/円は158円水準のレジスタンスで上昇が止められ、下がってきています。
148円のサポートは簡単に割れるような感じではないですが、158円超えをバックに、戻り売りでいいのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
ほかのクロス円も今週(1月24日~)は材料出尽くしで反発する可能性がありますが、先週(1月17日~)からと同じく戻り売りで、ただ金融ショックのときのような急落にはならないと思うため、利食いも入れていくのがいいような相場となるのではないかと思います。
【参考記事】
●豪ドル/円の、戻り売り方針を継続。リスク回避の方向を想定も、米ドルは軸にならず、円高だけが進む可能性(1月18日、バカラ村)
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