FRBメンバー、市場参加者ともにタカ派予想が多い。3月の利上げ幅が0.50%になるとの予想も
先週(1月10日~)火曜日は、パウエル議長の公聴会がありましたが、思ったよりもタカ派ではなかったことから、米ドル安に。米長期金利も1.80%台まで上昇していましたが、そこから軟調に推移しました。
(出所:TradingView)
12日の水曜日は、米CPI(消費者物価指数)がプラス7.0%と39年ぶりの高水準となり、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げはほぼ確実な状態になってきています。
13日の木曜日は、FRB(米準備制度理事会)のブレイナード副議長の公聴会がありましたが、FRBメンバーの中ではもっともハト派な人ですが、インフレへの対応をすることを発言しており、タカ派な内容となっています。
FRBメンバーの中でもっともハト派のブレイナード副議長も、公聴会でインフレへの対応をすることを発言し、タカ派な内容となっている (C)Bloomberg/GettyImages
市場参加者の注目はインフレとなっており、FRBの今年(2022年)の利上げ回数は4回との予想が多くなっています。
米国のCPIがかなり高いこともあり、タカ派予想には、3月の利上げ幅が0.50%になるとの予想まであります。
JPモルガン・チェース銀行のジェイミー・ダイモンCEOも最大7回の利上げを予想しており、FRBメンバーだけでなく、市場参加者もほぼ全員がタカ派予想となっています。
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タカ派予想は多いが、為替市場は米ドル高になっていない
ただ、為替市場は米ドル高に推移していません。
1月5日(水)にFOMC議事要旨が公表され、QT(量的引き締め)の議論がされていたことがわかりましたが、米ドル/カナダドルや英ポンド/米ドルなど、米ドルよりもそれらの通貨の方が堅調に推移しています。
【参考記事】
●豪ドル/円などのクロス円を、目先は戻り売りで。ただし、いつまでもポジションを持ち続けず、利食いしていく必要があるか(バカラ村)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
カナダも英国も金融正常化はFRBよりも早いですが、それが材料であれば、米ドル/円やユーロ/米ドルに関しては、米ドル高に推移してもいいはずですが、米ドル/円は116.34円の高値から113.47円まで下がっており、ユーロ/米ドルも、米CPIの発表までは1.13ドル台を中心とした推移が続いていて、米ドル高になっていたとはいえない動きでした。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米長期金利は長期的に上昇予想も、為替は米ドルを軸に考えない方が良い動きが続いている
為替市場は通貨によって個別の動きをしていることが多いといえます。
ただ米国株が下がった場面に関しては、円高になっているときもあります。
それ以外の動きとしては、ポジション調整の動きがメインではないかと思います。
米ドル/円であれば、116.34円まで上昇したときは、市場参加者のほとんどが上昇予想となっており、買いが多くなったことによるポジション調整の下げとなり、ユーロ/米ドルも売り目線が多く、そのショートカバーで1.1482ドルまで上昇したのではないかと思います。
米長期金利は長期的には上昇すると思いますが、為替市場は米ドルを軸に考えない方がよさそうな動きが続いていることになります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
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FRBのQTが夏ごろに行われる可能性あり。米国株にとっては売られやすい地合いに
米国株は、1月10日(月)や14日(金)の日足のローソク足は下ヒゲとなっており、底堅い推移となっていますが、ただ上昇トレンドになるわけでもなく、方向性なく推移をしています。
(出所:TradingView)
為替市場もポジション調整が出たあとになるため、動きが出にくいように思います。
ただ、FRBのQTが夏ごろに行われる可能性があるため、米国株にとっては売られやすい地合いだと思います。
そうであれば、為替市場もどちらかというとリスク回避の方向で考えるべきではないかと思います。
通常はリスク回避は円高、米ドル高ですが、米ドルでは考えないため、円高だけで考える方がいいのではないかと思います。
そのため、前回と同じになりますが、豪ドル/円の戻り売りでいいのではないかと思います。
【参考記事】
●豪ドル/円などのクロス円を、目先は戻り売りで。ただし、いつまでもポジションを持ち続けず、利食いしていく必要があるか(1月11日、バカラ村)
ただ、米国株は底堅い推移もしているため、細かく利食いしていく方がいいのではないか、という考えのままでいます。
(出所:TradingView)
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