FRBのハト派メンバーまでタカ派化。インフレ対応を急ぐ必要がある
明けましておめでとうございます
本年も宜しくお願い致します
年末年始はフラッシュクラッシュもなく、穏やかな年越しとなりました。
ただ市場のテーマはインフレで、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の正常化に伴い、株式市場は軟調な推移をしています。
1月5日(水)に公表された、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、「多くの参加者は、バランスシートは前回よりも速いペースで縮小の可能性が高い」と、量的引き締めの議論が進んでいることが示されました。
12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、テーパリング(※)の加速や、今年(2022年)の利上げが3回の見通しが示されていましたが、量的引き締めまで議論されていたことがわかり、金融市場はリスク回避の動きとなり、オセアニア通貨が売られる動きとなりました。
(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
(出所:TradingView)
1月7日(金)には、ハト派のデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「1-2回の利上げの後にQT(量的引き締め)に着手することを支持する」とタカ派な発言をしています。
FRBのハト派なメンバーまでタカ派化しており、インフレへの対応を急ぐ必要がある、ということなのだと思います。
市場参加者の予想では、利上げは3月に前倒しされ、量的引き締めは6月頃との予想が多くなっているように思います。
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市場は米長期金利よりも、リスク回避の動きに反応
その影響で米長期金利も昨年(2021年)の高値を超えて、1.80%台まで上昇しました。
(出所:TradingView)
米ドル/円は米長期金利と相関性が高いため、上昇してもいいようなものですが、116.35円まで上昇したあとは115.04円まで下がってきています。
(出所:TradingView)
米長期金利よりも、リスク回避の動きに反応していることになります。
今週(1月10日~)は、11日(火)にパウエル議長の議会証言、12日(水)は米CPI(消費者物価指数)の発表、13日(木)はブレイナードFRB副議長の承認に関しての議会証言があります。
昨年(2021年)までのパウエル議長であれば、米国株が下がっていればハト派な発言が期待できましたが、今はインフレへの対応を最優先としているため、タカ派な発言に終始すると思います。
そのため、リスク回避の動きになる可能性の方が高いと思います。
米ドル/円は目先、上昇が期待しにくい。クロス円の戻り売りがよさそう
為替市場は、米長期金利よりも米国株の動きに連れているように思いますので、米国株を見ながらのトレードとなりそうです。
米国株はFRBのほとんどのメンバーがタカ派となっているため、リスク回避になりやすく、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は戻り売りで考えたいと思います。
米ドル/円も米長期金利の動きよりも、リスク回避の方に連れているため、そして米ドル/円の市場参加者の予想が上昇に偏っていることもあり、目先は上昇が期待しにくいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
したがって目先は、豪ドル/円などのクロス円の戻り売りでいいのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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豪ドル/円は78円台のサポートはしっかり。戻り売りしても下げ止まったところで手仕舞い
ただ、リスク回避の本来の動きは、金融市場のポジションを現金に戻すことになります。
長期的にはインフレが進む可能性があり、インフレは現金の価値が下がることを意味するため、現金に戻すという動きもいつまでも続かない、と思います。
そのため戻り売りしたとしても、いつまでもポジションをホールドせず、利食いしていく必要があるような推移になると思います。
豪ドル/円であれば、78円台のサポートがしっかりしているため、そこを下抜けるのは難しいと思うので、戻り売りしたとしても、下げ止まったところで手仕舞いしていくようなイメージでいます。
(出所:TradingView)
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