前回のコラムで指摘したように、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどの主要通貨は、対ドルにおいて、週明けの7月6日(月)から8日(水)まで、ほぼ一直線に落ちてきた(「『ダマシ』シグナルが『ダマシ』でなければ来週前半は米ドルの反騰が見られそう!」参照)。
やはり、「ダマシ」というシグナルが利いていたようだ。
■ドルロングの好機をもたらしたBOE発の「サプライズ」
ところで、前日の7月9日(木)に、英国の中央銀行であるBOE(イングランド銀行)が政策金利の据え置きを発表したが、併せて、現在行っている量的緩和策の現状維持を表明した。つまり、現行の量的緩和策が拡大されないということだ。
これは、多くの市場関係者にとってかなりのサプライズだったようだ。そのため、英ポンド、ユーロといった欧州通貨は、対ドルで大きく切り返してきた。これら通貨ペアのショート筋が、いっせいに手仕舞いに動いたと思われる。

(出所:米国FXCM)
それでは、米ドル全体はこの先どうなるのだろうか?
結論から申し上げると、対主要通貨でのドル高という「調整」が、まだ終わっていない可能性が高いと私は思っている。つまり、BOE発の「サプライズ」が、出遅れたトレーダーに対して、ドルをロング(買い持ち)にする好機を提供してくれたと言ってもよいだろう。
■楽観論が後退し、最近は米ドルが持ち直してきた
もっとも、対円を除いた足元の米ドルの持ち直しは、株式市場のパフォーマンスと合致していて、これはマーケットにおける楽観論の後退が背景となっている。
それでは、米ドル全体はこの先どうなるのだろうか?
結論から申し上げると、対主要通貨でのドル高という「調整」が、まだ終わっていない可能性が高いと私は思っている。つまり、BOE発の「サプライズ」が、出遅れたトレーダーに対して、ドルをロング(買い持ち)にする好機を提供してくれたと言ってもよいだろう。
■楽観論が後退し、最近は米ドルが持ち直してきた
もっとも、対円を除いた足元の米ドルの持ち直しは、株式市場のパフォーマンスと合致していて、これはマーケットにおける楽観論の後退が背景となっている。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル vs 世界の通貨 1時間足)
そのきっかけは、米国の不動産、雇用データに依然として改善の傾向が見られないことであり、3月から発動された「量的緩和策」の効果が確認できないといった市場関係者のいら立ちもあるだろう。
そのきっかけは、米国の不動産、雇用データに依然として改善の傾向が見られないことであり、3月から発動された「量的緩和策」の効果が確認できないといった市場関係者のいら立ちもあるだろう。
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