■まだ下がるんじゃないかと恐怖にかられないためには?
前回、鈴木さんに説明してもらった「押し目買い」の方法を、具体的にユーロ/円のチャートで見てみよう。
「ユーロ/円は日足では直近上昇しています(※)。上昇トレンドにあると方向性を判断できます。そして、一番儲けたい人は、下の日足チャートの(A)の下ヒゲの先っぽで買いたいですよね。
そのためにはどうするか?
これは日足だけでは判断できないんです。下がっているところでは、まだ下がるんじゃないかと恐怖にかられたりします。
そこで15分足を見てみると、長い下ヒゲが出た直後にローソク足が移動平均線を上抜いているなど、下降トレンドから上昇トレンドに転じたサインが出ているので、ここで買えるとわかるわけです」
なるほど、15分足ではトレンドが反転していることがわかりやすく思える。
(※編集部注:鈴木さんへの取材は10月15日に行っている。その時点での「直近」ということ)

■損切りポイントはどうやって決めればよいのか?
15分足でいったん安値をつけた後、上昇に転じかけたと思ったところで買うのだから、もしも予想と逆に相場が動いた場合は、15分足の直近安値を割れたところで損切りすれば良さそうだ。
「いや、それはちょっと違うんですよ。今の例では基本的な方向性については、日足で上昇トレンドだと判断しました。だから、日足の上昇トレンドが崩れていなければ、エントリーしたポジションはまだ有効と考えた方がいいと思います。
その場合、たとえば、損切りするのは、日足で引いたトレンドラインを明確に割り込んだところにすべきでしょうね。
この例は少し短めのスイングトレードという前提でお話ししましたが、エントリーポイントも損切りポイントも15分足で決めてしまったら、少し短めのスイングトレードではなく、デイトレになってしまいます」
■自分はどこまで損しても問題ないか事前に決めておく
「もっとも、『日足で引いたトレンドラインを明確に割り込んだところ』までポジションをキープしていたら、自分が許容できる損失の範囲を超えてしまう、ということなら問題です。
そこで話が元に戻るのですが、結局、自分がどういうトレードをしたいのか、やはり最初に決めておかないといけないのです。
自分はどこまで損をしても平気なのか、トレードする前に自分のお財布と十分相談しておきましょう」
■鈴木さんオススメのテクニカル指標は?
上の例では、もっとも基本的な移動平均線とローソク足のみで鈴木さんに説明してもらったが、相場の方向性を見る場合、鈴木さんがよく使っていて、オススメのテクニカル指標は、移動平均線の他にパラボリックSAR、DMIあたりだという。
また、エントリーポイントを探る際に使うテクニカル指標は、いろいろ使っているので、オススメと言われても迷ってしまうとのことだが、強いて言えば、スローストキャスティクス、移動平均線、MACDが挙げられるそうだ。
■なぜ、中途半端に思える233日移動平均線を使うのか?
各指標の詳しい説明は長くなるので、テクニカル指標の解説書などに譲るが、使うテクニカル指標が決まったとしても、各指標にはその数値を算出する期間をどう設定するかといった問題がある。
たとえば、移動平均線でも、20日移動平均線を使うのか、21日移動平均線を使うのか、25日移動平均線を使うのかといったことだ。
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