■初心者にオススメなのはペアトレード
うまくいけば飛躍的な利益が見込めるCFD。しかし、その分リスクも高く、甘く見てはいけないことも陳さんの解説でわかった。
では、まだCFDにそれほど慣れていない人が、最初にチャレンジするなら、どんなトレードをするのがいいのだろうか?
「まずはペアトレードをやってみるといい。値動きの似通った2つの銘柄を同時に売買するやり方です。
たとえば、『東京ガス』(証券コード:9531)と『大阪ガス』(証券コード:9532)とか、『ドル建てのCME日経225先物』と『円建てのCME日経225先物』といったペアですね。
過去の歴史を2年とか3年遡って、ペアとなる銘柄の価格のかい離が最大どれぐらいかとか、平均どれぐらいかを調べてみる。そうしたら平均値を超えたところで、割高になっている方の銘柄を売り、同時に割安になっている方の銘柄を買うのです。
そして、両銘柄のかい離が縮小したところで決済するのがペアトレードのやり方」
今、例として2種類のペアが挙がったが、陳さんの初心者向けオススメはCME日経225先物の方。
米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)には日経225先物が上場されており、これにはドル建てと円建てがあるのだが、その両銘柄のCFDをペアトレードするということだ。
CME日経225先物のドル建てのものと円建てのものは価格がだいたい同じだが少し異なっていて、その差は揺れ動いている。その差が拡大したところでポジションを建て、その差が縮小したところで決済するのである。

では、ペアトレードで気をつけるべき点は何か?
■CFDのペアトレードにうまみがあるワケ
「まず、リーマンショックの時のように相場がパニックになっている時はペアトレードはうまくいかない。普通の相場の時にやった方がいいでしょう。
また、過去のかい離のデータはきちんと出しておかないといけませんが、その時、パニック相場のデータは除外すること。
そして、かい離が大きくなった時にトレードを開始し、決済する時は必ず同時にしてください。
相場が上がってきたとします。そうすると、ペアトレードの売りポジションは決済するけれど、買いポジションは決済しないという欲張りな人が必ずいるんです。これではペアトレードではなく、単なる相場判断になってしまうからダメ。
それと、かい離が縮まると思ってペアトレードを開始したら、さらにかい離が広がり続けてしまった場合、これは含み損が自分が許容できる範囲を超えたら決済して損切りすること。ペアトレードでも100%うまくいくわけではないからね」
ちなみにCME日経225先物のドル建てと円建ての場合、両銘柄のかい離には米ドル/円相場の動きが関係してくるとのこと。そして、「米ドル/円が急激なトレンドを示さず横ばいで、ボラティリティが低い時を狙うとこのペアトレードは成功しやすい」と陳さんは話す。
一般にペアトレードで狙う値幅は小さいことが多い。けれど、CFDではレバレッジをかけられるから、小さい値幅でもうまみは十分出てくる。
とはいえ、陳さんの話どおり、ペアトレードでも絶対成功する保証はないのだから、レバレッジのかけ過ぎにはやはり注意しないといけないだろう。
では、最後に陳さんにCFDをトレードする時の注意点を改めて聞いてみよう。
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