■FXで損してるなら、CFDには手を出すな!
今までFXをトレードしていた人が、株や商品などのCFDに新たにチャレンジしようとしたら、どんな点に注意したらいいのだろうか?
「FXをやって失敗して、じゃあCFDをやろうという話をよく聞くんですが、そういう人に対するアドバイスは
『FXで損してるなら、CFDには手を出すな!』です。
これがダメなら、ほかのことを……という発想自体がとんでもない。企業経営でもそうだけど、日本で食っていけない企業が中国に出て行くとかね、そんなの失敗するに決まってます。何かで失敗した人は大体いつでも失敗するんです。より大きく失敗します。
さっきも話したけれど、為替のボラティリティなんて小さくてかわいいくらいのもの。為替より株や商品の方がボラティリティは高い。
それをレバレッジをかけて取引するわけだから、リスクコントロールができない人はやってはダメ(「陳満咲杜さんに聞くCFD取引の真実(1) たった15分で40万円儲けた!」参照)。
それと、FXは国際的なニュースや経済状況によって動くから難しいという人がいるけれど、株だってニュースやら何やら動く要素はいっぱいあります。商品なんかもっと理不尽な動きをします。株や商品の方が為替よりカンタンなわけじゃない」
とにかく、CFDを甘く見てはいけない。そういったことが痛切に感じられる陳さんの話である。
■トレードがうまくいかないのをギャップのせいにするな!
では、日経225先物や日経225miniなどの株価指数先物を今までやっていた人がCFDにチャレンジする場合はどうなのだろう?
「『日経225先物は理不尽なギャップがいっぱい空くから、米国株の指数をやりたいんだけど、どうですか?』という質問もよく受けますね。確かに米国株のチャートの方がギャップがあまり空かずにもう少しスムーズに見えます」
ギャップとは、チャートのローソク足とローソク足の間にできる空白部分のこと。「窓」ともいう。日本株は前日の米国株の影響を大きく受けるため、たとえば、前日の米国株が暴落した場合、日経平均は前日の終値から大きく下がった価格から始まることがある。このような時に空くのがギャップだ。

けれど、「ギャップは本質的な問題ではない」と陳さんは話す。
「チャートがスムーズかどうかにちょっとした違いはあったとしても、価格形成の本質は日本株でも米国株でも同じ。自分が損しているのをギャップのせいにするような人は、米国株もやらない方がいい。
ただ、日本を含め世界の株は米国株の影響を受けていることは確か。
日本株は外国人投資家の売買が大きな比率を占めていて、その動向に影響されるけれど、米国株の場合、いまだに売買代金の90%以上が米国、つまり自国のものということはある。
結局、米国株が親で、日経平均などは子ども。親の動き次第で子どもは動く。それなら、直接親の方にアクセスした方がいい——そういう視点をちゃんと持てているなら、CFDで米国株を取引するメリットはあるでしょう」
■NYダウとナスダックは相場のサイクルが違う
ここで米国株でも米国の株価指数に話を絞ると、代表的な指数としてはNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500が挙げられる。これらの特徴、違いを陳さんはどう見ているのだろうか?
「これは自分の経験、カンですが、ボラティリティが高くて比較的動きが波乱になりがちなのはS&P500とナスダックですね。それに比べるとNYダウはやや緩やかな動き。
S&P500の先物はミニ先物なども含めて、世界中で一番多くトレードされています。S&P500の方がNYダウよりも米国の投資家の心理状況がより鮮明に反映されていると思いますよ。
相場のサイクル的なことを言うと、ナスダックは2000年~2002年のITバブル崩壊の時に派手に下落していて、S&P500やNYダウとはかけ離れた動きをしています。相場のサイクルが違うんです。
だから、今後米国株が下落したとしても、ナスダックは2002年の安値を更新しないでしょう」

■外国株は情報が少ないからこそいい!
米国株などの外国株は日本株に比べると情報が少ない。しかし、トレードする時に、それはデメリットではなく、メリットになると陳さんは言う。
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