昨日は朝からドル円は121円台に戻してきて、それが市場のリスクテーク気分を盛り上げた。日本株は大きく「上昇し、その間にドル円も前日の高値、すなわち今年の最高値である121.40まで急伸した。ロンドン時間を待たずに早々にドル円は上抜け。ドル円はまったく押し目を作らずに121.70辺りまで伸びて、同時にクロス円の買いも膨らんだ。
NATOやG7の首脳会議が開かれていたが、想定通りの内容しか議論されない。平和を守るといいながら、ウクライナを見殺しにするようにしか振る舞えないのだ。国連も含めて、機能不全を起こしているといえよう。もしくは調整が効かない現状を、国際社会の新秩序だと認めないといけない。場合によっては武力による現状変更もありというわけだ。
ニューヨーク時間ではリスクテークがいっそう進んだ。ドル円は122円ちょうどの手前でちょっともんだが、抜けるとストップロスが誘発。122.46まで進んだ。ユーロ円も134.60まで高値をつけたが、ユーロドルのほうは前日と同じで1.0980から1.1000の間をコアレンジとして、狭い終始した。終始した。
日本株の巻き返しが激しい。株価指数の代表である日経先物で見ていくと、今年の最高値は年初につけた29375円である。これは米国株が史上最高値をつけたタイミングと同じである。そこから世界的な金利上昇とコロナウイルス感染拡大、そしてウクライナ紛争と一連の悪材料が出て、24430円まで安値をつけた。
しかし昨日の海外市場では28140円まで戻りており、すでに半値戻しをはるかに通り越して、むしろ年初来の高値のほうが近くなってきている。これは欧州株や米国株などよりも、日本株の反発力のほうが大きいことを意味する。やはりそれには日米の当局者の姿勢の違いによる為替相場の方向性がものを言っている。
パウエル議長は再任問題が絡んでバイデン大統領に物価高を何とかしてくれと頼まれて以来、完全にハト派から転じるのを余儀なくされた。世界がそれになびく一方で、黒田総裁は物価上昇率が2%を越えても金利を上げないと公言している。
これによってドル円は昨年来の高値である116.40を越えてきて弾みが付いた格好となった。そしてトランプ就任時につけた118.62を越えてきたら、もう遮るものはなくなったのである。円安の効果を味方にして日本株の割高が続いている。
日本時間 15時10分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)