「高市トレード」の序章はヘッジファンドの完勝! 日経平均のSQ値は幻の4万8779円、米ドル/円は153円台で利益確定が入り反落
みなさん、こんにちは。
先週(10月6日~)の金融市場は高市自民党総裁誕生の報を受け、ヘッジファンドが日本時間月曜(10月6日)早朝から、日経平均と米/ドル円を積極的に買い上げました。
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彼らの短期ターゲットは「目標値」ではなく「利益確定のタイミング」。
先週金曜(10月10日)は、日経平均のミニSQ(特別清算指数)の日。加えて、日本の3連休前の最後の営業日でもありました。
そのため、ヘッジファンドは日本時間木曜(10月9日)夜まで、日経平均と米ドル/円を強烈に買い上げ、利益確定のタイミングをミニSQの10月10日(金)に設定していたと見られます。
そして、今回のSQ値が幻の4万8779円。米ドル/円は153円台で利益確定が投入され反落。日経平均も米ドル/円も大きく値を下げ、今回の「高市トレード」の序章はヘッジファンドの圧勝となりました。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
ヘッジファンドは日経平均のSQ値を活用したトレードを得意としており、その典型例と言えます。
それでは、「高市トレード第2章」はどうなるのでしょうか。
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高市トレード第2章は高市総理誕生にかかっている。ヘッジファンドが米ドル/円を大きく買い上げているとの話は聞こえてこない
高市トレード第2章は、まず高市総理が誕生するかどうかにかかっています。
ここまでの政局の流れを確認します。
10月15日(水)、高市総裁は日本維新の会の吉村氏と党首会談を行い、新たな連立政権の樹立も視野に政策協議を開始することで一致しました。
吉村氏は、政策協議が10月20日(月)までに合意すれば、首相指名選挙で維新が高市氏に投票する考えを示しました。
衆院会派で、35議席の維新が高市氏に投票すれば、自民と合わせて231議席。過半数の233議席に迫り、高市氏が首相に選出される可能性が急速に高まっています。
再び「高市トレード」が始まるなら、少しずつ日本株買い・米ドル/円買いが再開しても不思議ではありませんが、本稿執筆時点では、ヘッジファンドが米ドル/円を大きく買い上げているとの話はマーケットからは聞こえてきません。
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ベッセント米財務長官の発言に警戒。高値掴みに注意しつつ、米ドル/円は155円、日経平均は5万円に向けて押し目買い
ヘッジファンドを慎重にさせているのが、ベッセント米財務長官の為替に関するコメントです。
Bloombergによると、ベッセント米財務長官は円相場について「水準についてはコメントしない」としつつ、「日銀が適切に金融政策を運営し続ければ、円相場も適正な水準に落ち着くだろう」と主要メディアの取材に答えました。
加えて、加藤財務相とベッセント米財務長官が為替を協議したとの報道もあります。日経新聞は「加藤勝信財務相は15日、米首都ワシントンでベッセント米財務長官と会談した。足元で円安が続く為替に関して協議したとみられる」と報じています。
ベッセント長官のコメントは、要するに「日銀の対応が前提」という従来路線の確認です。
高市総裁の誕生を受け、今月(10月)の日銀利上げの織り込みは本稿執筆時点でわずか約14%、12月は約55%。この織り込みが上がる局面では、ヘッジファンドは米ドル/円の追随買いを控える可能性があります。
一方、Gold(ゴールド、金)の上昇は止まらず、10月15日(木)には一時4218ドルまで続伸。

(出所:TradingView)
これに伴い、米ドルの方向性を牽引しやすい米ドル/スイスフランは再び0.8000スイスフランを割り込み、0.7970スイスフラン近辺で上値の重い展開が続いています。

(出所:TradingView)
したがって、日銀の政策の行方とGoldの続伸に留意が必要です。
もっとも、高市トレード第2章の最大要因は「高市総理の誕生」そのもの。
維新との連立の可能性が高まる政局の行方を確認しつつ、米ドル/円は155円に向けて押し目買い、日経平均は5万円に向けて押し目買いの方針を継続します。
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