円安傾向は再び鮮明に!テクニカルの視点でトレンドを追うと?
円安傾向は再び鮮明になってきた。筆者は繰り返し、また一貫して円安の可能性やトレンドの持続性を強調してきたから、ロジックについてはもう「語り尽くし」の感じさえあり、今さら重複したくない。ゆえに、今回はもっぱらテクニカルの視点でトレンドを追っていきたいと思う。
まず、米ドル/円の日足を観察すればわかるように、一時期127円の節目を下回ったが、しっかり持ち直してきた。RSIが示した「強気リバーサル」のサインが効き始めたと言える。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン)
RSIのリバーサルのサインは、本質的にトレンドの継続を示唆するサインなので、米ドル/円はこれから再度、高値更新を果たすだろう。
プライスアクションの視点では、上のチャートに示したように、連続して「インサイド」(番号1と2)の上放れを果たしているところも、強気変動を認定できる点である。
GMMAチャートで検証した場合、短期線グループと長期線グループの接近があったものの、デッドクロスを形成せずに持ち直し、典型的な「調整済」のサインを点灯させたから、ブル(上昇)トレンドが一段と延長されることを有力視する。
ユーロ/円は、まもなく高値更新か
ユーロ/円も調整完了し、ブルトレンドへ復帰していることが、しっかり示唆されている。
5月12日(木)の大陰線をもって大型ジグザグ調整のクライマックスを果たし、そこから切り返しを果たしてきたが、下のチャートで示しているように、番号1のところで上放れを確認。そのままGMMAチャートにおける各移動平均線の序列や離れ具合が強気変動を示唆し始めた。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン)
したがって、今週(5月30日)以来の続伸がモメンタムを強め、さらに前述のジグザグ調整波途中の戻り高値(番号2)を超えるところで、さらなる上昇余地やモメンタムにつながっている。
本日(6月3日)にも再度、高値更新を果たすだろう。
GMMAチャートが示した短期線と長期線のクロスがあったものの、一目均衡表における「雲」ゾーンと相まってデットクロスを回避したのも、大きなヒントであった。
いわゆる「鰯喰い」のサインを点灯していたから、目先の高値再打診につながり、また、高値更新後の一段続伸を示唆。値ごろ感による頭打ちといった判断は適切ではなかろう。
豪ドル/円、英ポンド/円も上昇のサイン
豪ドル/円の日足も同じパターンを示している。書き加えるポイントと言えば、一目均衡表における遅行線と日々線のゴールデン・クロス、また、ボリンジャーバンドが上限を突破しているところであろう。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン)
どれも強気トレンドの継続を示唆するポイントなので、ロングスタンスを維持していきたい。
比較して、英ポンド/円がやや遅れているように見える。しかし、基本はいっしょなので、これから上昇幅が一段と拡大するのを期待できる。ちなみに、共通しているポイントも重要である。それはほかならぬ、RSIが目先、比較的に平穏な状況を示しているところだ。
(出所:ゴールデンウェイ・ジャパン)
一般のテクニカルの教科書なら、RSIがいわゆる「買われすぎ」のゾーンである70以上のレベルを示さないほうが望ましいと解釈されがちだが、筆者はそのような見方をしない。
なぜなら、仮にユーロ/円や豪ドル/円がこれから2022年年初来高値を更新したら、RSIがこの前の高値を抜け出せない可能性もあって、「弱気ダイバージェンス」云々と解釈される可能性があるからだ。
結論から申し上げると、ダイバージェンスのサインが点灯されても、頭打ちになるかどうかは実に定かではないから、RSIが70以上のレベルを上回らないうちは、実はモメンタムがまだ本格的に加速されていないと言える。
だからこそ、値ごろ感でもって円安の進行が行きすぎと判断しないほうが無難である。そのあたりの話は、また次回、解説したい。
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(14:00執筆)
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