FRBによる0.50%の連続利上げを控える中、バンク・オブ・アメリカCEOの発言によりマーケットの不透明感が増すことに
みなさん、こんにちは。
6月初日のNY市場で話題になったのが、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOのコメント。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、経済が金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻に直面する中、投資家は経済の「ハリケーン」に身構えるべきだと警告した。
出所:Bloomberg
今月(6月)、そして来月(7月)とFRB(米連邦準備制度理事会)による0.50%の利上げを控え、ただでさえ不安定な株式市場。そうした環境下での、このジェイミー・ダイモンCEOのコメントによりマーケットの不透明感が増す結果に。
0.50%の利上げが予測されているFOMC(米連邦公開市場委員会)は、6月14日(火)~15日(水)に開催されます。その前の6月10日(金)に米CPI(消費者物価指数)の発表を控えています。
インフレはピークアウトしたという見方も増えていますが、米国の利上げが本格化するのはこれからであり、インフレ指標の数字によっては米10年債利回りが再び3.00%を超える可能性も高まっています。
その米10年債利回りですが、6月初日のNY市場で、いきなり2.92%と再び3.00%をうかがう展開になりました。
(出所:TradingView)
米ドル/円は基本的に押し目買いも、一方的な上昇はなさそう。今月は米金利の急上昇と米国株の動向に注目
米金利が再び上昇していることから、連動する米ドル/円は基本的に押し目買いでいいのでしょうが、米金利上昇により米国株が急落すると、今度は米金利が下落し米ドル/円が反落するという流れが再来する可能性があり、米ドル/円も一方的な上昇はなさそうです。
(出所:TradingView)
どちらにせよ、5月、6月、7月と3カ月連続で0.50%の米利上げが予定されているという環境は、多くのマーケット参加者が経験していない相場の到来を意味します。
結果、米金利上昇でもっとも上がるのが米ドル/円。そして、金利上昇に呼応して米国株が急落すれば、米ドル/スイスフランの下げ幅が大きくなり、スイスフラン/円のロング(買い)がワークするかもしれません。
どちらにせよ、今月(6月)は米金利の急上昇と米国株の動向に注目が集まります。
英ポンドは新興国通貨並の危機に直面しているとの見方も。ユーロ/英ポンドの上値余地拡大
一方、英ポンドに対して厳しい意見を出しているのがバンク・オブ・アメリカのストラテジストです。
英ポンドは新興国通貨並みの危機に直面、投資家はヘッジを-BofA
出所:Bloomberg
以下は、過去3カ月の主要通貨の対米ドルでの騰落率。
(出所:筆者提供のデータを元にメルマガ部が作成)
日本円の下落は鮮明でしたが、英ポンドの下落幅もなかなかのもの。筆者のユーロに対する強気のスタンスは変わりませんが、英ポンド/米ドルの反落がユーロ/米ドルの上値を抑えてしまう事、加えて、米国株の動向が不透明な環境下、ユーロのロングについては、対米ドルの通貨ペアであるユーロ/米ドルを避け、ユーロ/英ポンドにスタンスを変更しました。
早いもので、今週から6月相場が始まりました。
月が変わると相場動向に大きな変化があることは珍しいことではありませんが、前述のようにFRBの連続利上げを控え、米国株が不透明になる公算が高いため、今月(6月)のFXトレードは細かい対応が求められるのかもしれません。
新興国通貨並みの危機に直面しているとの指摘もある英ポンドは軟調で、ユーロ/英ポンドの上値余地が拡大。
(出所:TradingView)
米10年債利回りが3.00%に向けて底堅く推移する環境は、米国株が急落するリスクもはらむため、中期の米ドル/円の上昇トレンドの変更はありませんが、米国株の急落時においては警戒が必要です。
それでは、今月(6月)もよろしくお願いします。
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