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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円を戻り売り! 上昇相場は終わり、145円を
割り込んでくると下げが大きくなる可能性に警戒!
米中間選挙後の株高という、強いアノマリーにも注目

2022年11月07日(月)15:20公開 (2022年11月07日(月)15:20更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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米雇用統計後の市場の反応は米ドル高。中国政府はゼロコロナ解除の噂を否定

11月4日(金)の米雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が予想を上回ったものの、失業率も上昇。

 

メディアによって解釈の分かれる結果となりましたが、市場の反応は米ドル安でしたね。

ドルインデックス 1時間足
ドルインデックス 1時間足チャート

(出所:TradingView

銅が上がり豪ドルを中心に買われことで、米ドル安になったのではと思っています。

 

報道では、中国のゼロコロナ政策緩和への期待が高まったため、ともされていますが。

ゼロコロナ解除は中国政府が否定するコメントを出しましたね。

そうなると、残る材料はFOMC(米連邦公開市場委員会)ということになります。

 

11月1日(火)~2日(水)のFOMC声明文では利上げペースの減速を示唆しつつも、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がターミナルレート(利上げの最終地点)はより高くなると発言し、FOMC後は米ドルが買われる展開でした。

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ユーロ/円の思わぬ反落に警戒、ユーロ/米ドルは再び0.9500ドル割れを目指す展開か。米ドル/円は、米ドル高の局面でも積極的に買いづらい通貨ペアに!(11月4日、西原宏一)

12月のFOMC(12月13~14)までには、米雇用統計も米CPI(消費者物価指数)の発表もあります。

 

その数字でまた、変わっていくのでしょうね。

米ドル/円の上昇相場は終わった! 145円を割り込むと、下げが大きくなる可能性!

米国のターミナルレートが5.5%や6%になるならともかく、現在の金利先物市場が織り込んでいるのは5%程度

 

今の米国の政策金利は4%ですから、ターミナルレートが5%なら、あと0.5%の利上げが2回で到達してしまいます。

 

12月が0.5%で、来年(2023年)に0.25%の利上げを2回といったところなのか、いずれにせよ、利上げの終焉が近いことは確かでしょう。

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米ドル高は、大きなターニングポイントに来ている。米国の利上げ幅のテーパリング(縮小)が始まれば、米金利は下がり、米ドル高はピークをつけて、豪ドルが買われやすくなる(10月24日、西原宏一&大橋ひろこ)

米国の政策金利の推移
米国の政策金利の推移

(※詳しくはこちら⇒主要各国の政策金利の推移をグラフでチェック!

終焉が近いというのは、市場全般の見方でしょうか?

全体かどうかはわかりませんが、米2年債利回りは先週(10月31日~)、高値を更新して4.7%近辺まで上昇。

 

5%のターミナルレートを、ほぼ織り込んでいます。ところが、これまで米2年債利回りに追随しながら高値を更新してきた米ドル/円は、まったくついてきません

米2年債利回り(右軸)&米ドル/円(左軸) 日足
米2年債利回り&米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

「イールドカーブコントロールを柔軟化していくことは1つのオプションとしてあり得る」とした、黒田日銀総裁のコメントも影響しているかもしれませんね。

150円より上を米ドル/円のターゲットとする人は少なく、上昇相場は終わったと見ています。150円より上はオーバーシュートだったのでしょう。

 

次に150円を超えても急騰する感じはないですが、145円を割ってくると下げが大きくなりそうです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今週は米中間選挙。中間選挙後は株高になりやすく、NYダウには100%のアノマリーが!

今週、11月8日(火)は米中間選挙です。

従来なら、民主党を支持していたヒスパニック層がインフレで生活が困窮して共和党へ流れ、「レッドウェーブ(共和党旋風)」が来るともいわれています。

 

下院での共和党優勢は揺るがず、焦点は上院をどちらが取るか。

中間選挙後は株高になりやすい、とする強いアノマリーがあります。

 

中間選挙の前日から翌年末までのNYダウは、1942年からの過去21回、すべてが上昇しているそうです。

NYダウ 月足
NYダウ 月足チャート

(出所:TradingView

米ドル安でリスクアセットが買われやすくなる、ということになりますね。

 

年末にまた詳しく話す機会があると思いますが、来年(2023年)は「コモディティの年」になるとの予感があります。今年(2022年)は米利上げにより、株も債券もコモディティも仮想通貨も全滅。よかったのは為替だけです。

 

米利上げが終焉すれば、あとは景気次第ですが、コモディティを中心にリスクアセットが買われやすくなるのではと。

今週は米ドル/円を戻り売り! 利上げの終わりが意識されていれば、米CPIが下ブレしたときのインパクトは大きくなりそう!

先週は、11月3日(木)にBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の政策発表もありましたが、気になるのはターミナルレートについて「金融市場が織り込んでいるよりも低くなる」との見通しを発表したことです。

 

高くなると言っているFOMCとは対称的ですね。

悪材料しか出てこない英ポンドですが、下がりませんね。

 

金利先物市場から主要通貨のターミナルレートを確認しておくと、米ドルが5.1%、ニュージーランドドル(NZドル)も5.2%と高い。あとは、カナダドルが4.5%、豪ドルが3.9%、ユーロが3%となっています。米ドル、NZドルが高く、実際に為替市場でも買われています。ただ、豪ドルに続いて、カナダドルも利上げ幅のテーパリング(縮小)へ動きました。

 

これまでターミナルレートの高さで買われていた通貨が崩れだすと、下げは速いのではとイメージしています。

【※関連コンテンツはこちら!】
主要各国の政策金利の推移をグラフでチェック!

今週は11月10日(木)に米CPIが発表されます。

 

利上げの終わりが意識されているようだと、下ブレしたときのインパクトは大きそうですね。

今週(11月7日~)は、米ドル/円の戻り売りをしたいと思います。

 

米2年債利回りがこれだけ上がってもついてこないのは気持ち悪いですし、145円を割れると下げが速そうです。

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米ドル/円は151.95円で天井を付け、急落する可能性に警戒! 当面は戻り売りの展開か。米利上げ最終地点の見通しに変化、米ドルは大きなターニングポイントに!(10月27日、西原宏一)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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