志摩力男のYoutubeチャンネル「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」ではウェブセミナー「ライブ配信!志摩力男」を10月25日(火)に開催しました。通常だと月末の当コラムでは「月刊!志摩力男」をお届けするのですが、今回は、そのライブ配信の模様を全編公開します。
志摩さんといえば、忖度なしのぶっちゃけトークが魅力ですが、今回もライブ配信とは思えないほどの本音トークを展開。視聴者の質問にも回答しています。続きは動画をご視聴ください。
米金融政策の引き締めにも「天井」が見えてきた?世界中で米ドル高トレンドにストップがかかったのか
ついに、米金融政策の引き締めにも「天井」が見えてきたのでしょうか。
最近、「ニキリークス」とも言われている、ウォールストリート・ジャーナル紙記者のニック・ティミラオス氏。彼が先週(10月17日~)金曜日(10月21日)に公開した記事にマーケットは大きく揺れました。
Fed Set to Raise Rates by 0.75 Point and Debate Size of Future Hikes
出所:WSJ
「FRB(米連邦準備制度理事会)は、11月に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)において0.75%の利上げを決定するが、12月に関しては、利上げ幅をもっと小さくするということを、どのようにメッセージとして出すか議論する」と題しています。12月以降、利上げペースが大幅にスローダウンするということです。
行き過ぎた利上げにより、経済に大きなダメージを出すリスクを避けたいという意向のようです。
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁も「過度な引き締めを行わないよう、全力を尽くして留意する必要がある」と発言しています。
こうした発言を受けて、今回の利上げ局面における終着点(ターミナルレート)が5.00%から4.75%に下方シフトしました。
米長期金利(10年債利回り)は、ターミナルレートに近づくとピークを打ちます。4.30%前後まで上昇していた米10年債利回りは4.00%ギリギリのところまで軟化。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは1.00ドルのパリティを超えて底入れ的な動きを示し、英ポンド/米ドルも、英国の首相に就任したスナク氏がマーケットに配慮した政策を行うと表明し、1.16ドル台へと大きくリバウンドしました。
世界中で、米ドル上昇トレンドがストップした感があります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
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金融引締め政策が終われば株が買える。株式市場関係者は「FED PIVOT」を心待ちにしている
こうしたFRBの金融政策転換を、最近メディアでは“FED PIVOT”(フェドピボット)と呼んでいます。FED PIVOTがいつ来るのか、特に株式市場関係者は心待ちにしています。
金融引き締め政策が終われば株は買えると。これまでもフライング的にFED PIVOTが来たと言っては、未熟なラリーを作ってきました。
しかし、これまでは「金融引き締めが簡単に終わるわけではない」、「FRBはインフレ抑制が最大の使命」とPIVOT(転換)を否定してきました。ところが最近、論調が変わってきたのは、
(1)住宅価格が明らかに天井を打ってきた。
(2)米中間選挙までは、インフレに対し厳しい姿勢をとらなければならなかったが、中間選挙後は、そうしたフリをする必要がなくなる。
(3)FRBによる引き締めに新興国は対応できず、不安定さを増している
こうしたことから、そろそろ金利の天井を示唆すべきと判断されたのでしょう。
英ポンド/米ドルやユーロ/米ドルといった通貨ペアに関しては、発表時にはあまり動いていませんでしたが、時間の経過とともに大きく効いてきます。
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米ドル/円はピークを打ったのか?日米金利差が接近しなければいずれリバウンドも短期的には下げる可能性が高い
米ドル/円相場は、本当にピークを打ったのでしょうか。
最大の難関は、10月27日~28日に開催される日銀政策決定会合。黒田節が炸裂し、現状のYCC(イールドカーブ・コントロール)政策を変更することはないと断言するでしょう。日米金利差が接近することがないのであれば、米ドル/円はいずれどこかのタイミングでリバウンドすることになります。
しかし、短期的にはそれにも関わらず、米ドル/円が下げる可能性が高いと見ておきたいです。
(出所:TradingView)
何といっても、政府・日銀が為替介入をやったことが効いています。まったく効果がないと揶揄されたりもしましたが、実際に9兆円前後の金額をマーケットにぶち込んでいます。誰かが、9兆円分ロング(買い)で捕まっています。
一方的な米ドル高が続いたので、揺り戻しがいったん始まれば、潜在的にかなり大きな米ドル安相場になると思います。
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