米CPIが弱く、米ドル/円は1日で約6.4円下落。実弾介入と比べてもかなりの衝撃で、145円を下抜けて弱い形に変わった
先週木曜日(11月10日)に発表された米国のCPI(消費者物価指数)が弱く、米ドル安の相場となりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
今年(2022年)は米ドル一強の相場が9月下旬まで続き、そこからは横ばいが続いていましたが、その横ばいをしっかり抜けるほどの米ドル安となっています。
米ドル/円では、145円がサポートされていましたが、それを下抜けたことで下げが加速し、その当日では140.20円付近まで下がり、1日の値幅としては約6.4円下がったことになります。
10月21日(金)の実弾介入の日でも約5.8円しか下がっていなかったことを考えると、かなりの衝撃だったことが分かります。
(出所:TradingView)
実弾介入のときは、米ドル/円が下がると市場参加者は買い向かうためすぐに反発しましたが、米CPIの鈍化に関しては、市場のテーマでもあるインフレが収まっていることが示唆されたこともあり、反発はほとんどなく、反対に、これまでの米ドル/円の買いポジションの手仕舞い売りも出て、138.45円付近まで下がりました。
イエレン米財務長官やウォラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事が、1つの米CPIでは判断しないという内容の発言をしたこともあり、週明けは米ドル高に反発していますが、チャートからは145円を下抜けたことで弱い形に変わっています。
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米ドル/円で10円幅のもみ合いが続くと仮定し、145円のレジスタンスを基準にすると、135~145円のレンジが当面続くことに
米ドル/円の週足で、上昇トレンド後に調整した似たテクニカルパターンを探すと、調整が始まると10円幅ほどの揉み合いが続いていることがあります。
今回も10円幅のもみ合いが続くと仮定し、その高値は145円のレジスタンスを基準にすると、135~145円のレンジが当面続くことになります。
(出所:TradingView)
12月FOMCで0.50%の利上げの可能性は高く、米ドル/円が下がり続けるのは考えにくい。想定レンジ内で下がれば買いがいいのでは
米CPIは鈍化してきていますが、まだ低いとは言えず、12月14日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)があり、そこでは0.50%の利上げをする可能性はまだ高い状態です。
FOMCの前日(12月13日)には米CPIがあり、その経済指標によってまだ変わってくることになりますが、現状からは0.75%の大幅利上げは休止されるのではないかと思います。
0.75%はないと思うものの、0.50%の利上げの可能性は高いため、ファンダメンタル面からは、米ドル/円が下がり続けるというのは考えにくく、トレードとしては、想定レンジ内で下がれば買いがいいのではないかと考えています。
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米ドル/円は基本的に買い方向でよさそうだが、143.50円や145円がレジスタンスになりやすい
基本的には買い方向がいいように考えていますが、先に反発上昇するようであれば、145円はレジスタンスとなると思います。
その手前では、151.95円からの38.2%戻しと、米CPIで下がる前の高値からの61.8%戻しが143.50円付近で重なります。
一般的には、フィボナッチの重なる水準は上昇が止まりやすいため、まずは143.50円が売り場となるのではないかと考えています。
今の米ドル/円はレンジトレードで考えており、基本的には買い方向がいいようには思いますが、上も143.50円や145円はレジスタンスになりやすいのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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