パウエル議長の講演で米ドル/円は136円台へ急落!
みなさん、こんにちは。
本日(12月1日・日本時間未明)、市場の注目を集めていたパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が開催されました。
パウエル議長は「早ければ12月にも政策引き締めペースを減速させる」と示唆。
パウエル議長は「早ければ12月にも政策引き締めペースを減速させる」と示唆した (C)Bloomberg/Getty Images News
一方でインフレとの闘いは終了からほど遠いと強調し、「金利は一段と上昇し、景気抑制的な水準にしばらくとどまる」との見方を明らかにしています。
しかし、前述の「12月にも政策引き締めペースを減速させる」とのコメントがフォーカスされ、12月13-14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合では0.5%の利上げになるとの観測が拡大。米金利は低下しました。
米金利先物市場では、12月の利上げは0.5%とほぼ織り込んでいたので、個人的にはそれほどサプライズはありませんでしたが、パウエル議長のコメントにより、ターミナルレート(利上げの最終地点)が5%程度になるとの見方も増え、米2年債利回りは、4.5454%から4.3102%へと急落。
米2年債利回りと相関性の極めて高い米ドル/円も139円台後半から136円台半ばまで反落しています。
エントリーポイントを探るのが難しい局面
仮に米ドル/円が130円まで下落するとの想定どおりにいけばトレードは簡単なのですが、注意すべきは、そのエントリーポイントです。
過去のコラムでご紹介させていただいているように、米ドル/円は151.95円で天井をつけているとのスタンスは変わりません。
しかし、その後の米ドル/円は一気に15円近く急落しています。
(出所:TradingView)
今年(2022年)の米ドル/円はボラティリティが高いとはいえ、一気に15円も急落すれば、当然調整幅も大きくなります。
米ドル/円の下落時に売りでエントリーしてしまうと、簡単に踏み上げられてしまいます。
なぜ、こういう不安定な相場になっているのかは、米2年債利回りの推移が影響しています。
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米ドル/円が米2年債利回りを先導
下の図は米2年債利回りと米ドル/円の相関チャートです。
(出所:TradingView)
10月21日(金)に米ドル/円が151.95円の今年(2022年)の高値に到達するまでは、米2年債利回りが牽引する形で、米ドル/円がきれいに追随して上昇しています。
ところが、10月21日(金)に介入が入ったタイミングで、この相関が逆転。
米2年債利回りが高止まりしても、米ドル/円は暴落したのです。
151.95円に到達する前の相場は、米金利の高止まりにも関わらず、米ドル/円が急反落した場合、タイムラグをおいて必ず米ドル/円が反発し、米2年債利回りとの相関を守っていました。
しかし10月21日(金)以降は、米ドル/円が先導する形で、米2年債利回りが下落する形になっています。
米金利の下げ自体は緩慢であるため、米ドル/円は15円急落した後、一時5円も反発しましたが、再び急反落という相場を繰り広げています。
米ドル/円はこうした急反発をはさみながら、徐々に米2年債利回りとの乖離を埋め、下落相場を形成しています。
そのため、トレードにおいては、米ドル/円が急落して、米2年債利回りとの乖離が拡大した局面ではエントリーを避け、戻りをていねいに待って米ドル/円を売る必要があります。
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米ドル/円は130円を目指して戻り売り
米国債利回りが、2年債利回りを中心に穏やかに低下している環境下では、米ドルは徐々に値を下げる展開。
米ドル/円はボラティリティが高いので、2年債利回りと大きく乖離して下落した局面での売りエントリーは避けること。
そして、130円を目指してていねいに戻り売り、とします。
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