米ドル/円は151.95円を天井に約15円暴落!急反発にも警戒が必要
みなさん、こんにちは。
これまでのコラムでお伝えしたとおり、米ドル/円は1米ドル=151.95円で上昇相場が終了し、その方向性を大きく変えています。
それは、米2年債利回りが天井をつけたという考えに基づいています。
米2年債利回りは11月4日に4.7999%をつけました。
米金利先物市場がFRB(米連邦準備制度理事会)のターミナルレート(利上げの最終地点)を5.0000%前後と織り込み始めている中、米2年債利回りの4.7999%というのはフルに織り込んだレートだと想定していました。つまり米2年債利回りはほぼ高値に到達。
そして先週(11月7日~)の弱い米CPIの発表を受け、米2年債利回りは反落。
それをきっかけに、米ドル/円は一時138.68円まで急落してます。
この下落期間は3週間強、その下落幅は14.27円という大暴落です。
下は米ドル/円の週足チャートです。
(出所:TradingView)
テクニカル的には、まだ133.09円(=38.2%)まで米ドルが下落する可能性も残っていると想定していました。
しかし今週(11月14日~)は、10月以降の米ドル/円の一方的な弱気スタンスを少し修正しようと考えています。
その理由は米2年債利回りと米ドル/円の相関性にあります。
米ドル/円は調整局面入りか
今回、米2年債利回りを先行する形で下落を開始した米ドル/円ですが、すでに15円弱の暴落。米2年債利回りも下落はしていますが、その下落幅は緩慢です。
結果、米2年債利回りと米ドル/円との乖離差がかなり進んでいます。
(出所:TradingView)
このチャートから考えれば、今回の米ドル/円は下落幅以上に下落スピードが早すぎる、一時的に売られすぎではないかと考えています。
そのため、約15円暴落後の米ドル/円は、当面135~145円の間で乱高下を繰り返すような調整局面入りするのではないかと想定しています。
では、急落した米ドル/円の次に注目すべき通貨ペアをさぐってみましょう。
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2022年の主役は米ドル。来年にかけての注目通貨ペアは?
ここで今年の金融市場をもう一度振り返ってみましょう
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先週のコラムでもお伝えしましたが、2022年は法定通貨以外の取引はかなり厳しい状況です。
FRBが連続利上げをしたことから、米国株、米国債ともに下落。仮想通貨も年間を通して上値が重い展開が続いています。
一方で、基軸通貨である米ドルだけはFRBの連続利上げ予測を背景に大きく値を上げ、多くのヘッジファンドの収益の大きな支えとなっています。
この状況を踏まえ、先述した米金利先物市場が織り込んでいる通り、今後はインフレが沈静化し、ドル金利が穏やかに反落するとします。
それは、今年の相場が逆方向に向かうことを意味することになるため、今年急騰している米ドルはじり安となるはず。
軟調な米金利は、ナスダック市場を中心に米国株を底堅くさせ、リスクアセット通貨もじり高になる可能性を高めます。
リスクアセット通貨の代表といえば、豪ドル。
まず豪ドル/米ドルですが、今年の米ドルの急騰によって、豪ドル/米ドルも下落し、一時0.6170ドルまで値を下げています。
(出所:TradingView)
しかし、米ドル/円と比較すると、米ドルに対する豪ドルの下げ幅は限定的。
2020年3月のコロナショック時に記録した0.5510ドルという安値には到底届かず、10月から反発しています。
豪ドル/米ドルは先月から一方的に値を上げたので、0.6800ドルレベルを高値にいったん調整に入っていますが、米国株上昇の流れの中、0.7500ドルに向けて反発すると想定しています。
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豪ドル/円の押し目買いのチャンスを狙う
対円も同じです。
筆者は150円近辺で米ドル/円がとどまっている局面では、買われすぎの米ドル/円の暴落を懸念して豪ドル/円には手をだしていませんでしたが、既報のように米ドル/円はすでに15円近く急落。
そのため、豪ドル/円も押し目買いのチャンスを探しています。
2023年の豪ドル/円は100円を超えてくると想定しています。
(出所:TradingView)
2022年は、米国株、米国債券が下落し、仮想通貨も上値が重い。つまり米ドル一強でした。
視点を変えれば、FRBの連続利上げ予測が後退すれば、米国株や米国債券も反発することになります。
そしてリスクアセットの代表通貨である豪ドルも大きく反発すると考えています。
2023年は豪ドル/米ドル、豪ドル/円に注目です。
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