昨日は小売売上高だった。前回の発表分が低かったこともあって、その反動で今回はとても数字が上がって出た。いっしょに出たニューヨーク州の景況感も良かったので、それらを受けてドル金利は上昇した。そしてドル高が一段と進み、ドル円は134円台にまで達した。
ドル円が象徴的なだけであって、ドル相場は全面高なのである。米国株も急落したが、ニューヨーククローズに向けては買い戻され、景気後退はないのではないかという都合のいい楽観論が台頭した。
ドル金利の上昇と言っても、これは短期金利のゾーンにおいて顕著だった。銀行間貸出金利の代表であるLIBOR先物の12月限は、ついに昨年11月につけた安値近辺まで下落した。ものが12月限なので、年後半の動向も含む。すなわち今年はもう利下げが吹っ飛んだということを意味しているのだ。過度な利下げ期待の剥落分が、株価下落などまだ資本市場に織り込まれていないのが気にかかる。
私もドルの短期金利の上昇を目にして、ドルロングで攻めるべきだと思いを強くしてドル円を買っていった。最近は安くなるドル円の描像が目に焼き付いているので、なかなか133円台からロングにしていくのは勇気がいる。しかし材料もあることだし、ここは踏ん張ってでもドルのロング攻めに参加しないといけないと思ったのである。
しかし指標発表直後に瞬間的に134円台に乗せてからは、すぐに133円台に押し戻されるなど、ドルの上昇に破壊力がなかった。ようやくのこと、ほぼ同値でやめるのがやっとだったのである。
今夜はPPIである。PPIも高い予想が出されている。これで短期金利もフレッシュなゾーンに入ってくるのは確実で、後は利上げのターミナルレートが若干上がってくることが予想される。利上げサイクルの停止も5月ではなく、7月に伸びるかもしれない。そうなるとドル相場のもう一段高が期待されるのである。
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