円安継続で米ドル/円は年初来高値を更新
みなさん、こんにちは。
今週(8/28~)も米ドル/円は続伸。
8月29日の米ドル/円は147.37円と年初来高値を更新。先週のコラムでご紹介させていただいた米ドル/円のターゲットである150円まであと2円強のレベルまで上昇しています。
(出所:TradingView)
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、150円に向けた押し目買い!中国経済は爆発するのを待っている時限爆弾! 中国人民元安は豪ドル安&円安要因だが、ユーロへの影響はそれ以上!?(2023年8月24日、西原宏一)
振り返ってみれば今年(2023年)の米ドル/円も1月の安値から20円強も上昇。
ただ、ここで気をつけたいのが、主要通貨に対し米ドルが強くて米ドル/円が上がっているわけではないことです。
米ドル高ではなく円安であることに留意!
下図は、過去3カ月の対米ドルの主要通貨の騰落率です。
スイスフラン、英ポンド、ユーロ、カナダドルといった主要通貨に対して米ドルは値を下げています。
つまり米ドル安。
全ての主要通貨に対して圧倒的に日本円が売られているので、米ドル/円が上がっているわけです。
米ドル/円の上昇は、米金利の上昇や中国人民元安などが大きな影響を与えていることは確かですが、クロス円の上昇(=円安)が大きな要因であるとも言えます。
米ドル/円のトレードの注意点としては、他通貨では大きく米ドル安に進む局面もあるため、高値を追わず、ていねいに押し目買いというスタンスで。
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スイスフラン/円に続いて15年ぶりに高値を更新したのは?
クロス円の中でも当コラムで注目しているスイスフラン/円は先週166.59円まで急騰し、史上最高値を更新。
1年ではなく、わずか7カ月強で30円弱も暴騰しています。
ただそのスイスフラン/円に変わり、今週15年ぶりに高値を更新した通貨ペアがあります。
それはユーロ/円。
(出所:TradingView)
8月30日の欧州市場では8月のドイツ消費者物価指数(CPI)速報値が前年比で予想を上回ると、ECB(欧州中央銀行)の利上げ継続観測が高まり、ユーロ買いが優勢になりました。
ユーロ/米ドルは一時1.0945ドルと8月15日以来、約2週間ぶりの高値に到達しています。
(出所:TradingView)
ユーロ/円も5日続伸。一時159.76円と2008年8月以来15年ぶりの高値を更新しています。
ユーロは対スイスフランでも反発し、ユーロ/スイスフランは節目の0.9500フランを割り込めず、0.9600フランレベルまで反発。
(出所:TradingView)
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9月のECB理事会までユーロ/円にも注目!
問題はユーロの反発が本格的な動きとなるかどうか。
欧州天然ガスを取り巻く環境や、中国経済の急失速など、ユーロの上値を抑える要因に変化はありませんが、前述のように来月のECBの利上げ継続観測が高まっており、これがユーロの反発を誘引しています。
ユーロ売りを牽引してきたユーロ/スイスフランの反発も、ユーロ/円を15年ぶりの高値に押し上げた要因でもあります。
来月のECB理事会までは、スイスフラン/円に代わって160円ブレイク目前のユーロ/円にも注目でしょうか?
米ドル/円はターゲットの150円に向けて底堅く推移していますが、145.50円や146.50円にオプションの権利行使価格が密集していることもあり、高値追いは禁物。
144−150円のレンジの中で、ていねいに押し目買い。
(出所:TradingView)
9月のECBの利上げ継続観測が高まっていることもあり、165.00円に向けて底堅く推移するユーロ/円にも注目です。
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