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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円はじりじりと150円に近づき、介入との戦いが
始まる!肩透かしに終わったパウエル議長の講演を経て、
次にマーケットが注目するのは、中国経済の不振か

2023年08月27日(日)14:23公開 (2023年08月27日(日)14:23更新)
志摩力男

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肩透かしに終わった、パウエル議長の講演

 自然利子率(中立金利)が上昇しているから、金利はもっと上昇しなければいけない。

 こうした議論が出てくるのではないかと言われた、ジャクソンホール会議。しかし、注目のパウエル議長講演は「肩透かし」に終わりました。

 冒頭からパウエル議長自身は、以下のように発言しました。

 「昨年は、短くダイレクトなメッセージを出しました。今年は少し長いですが、メッセージは同じです」

 昨年(2022年)は3~4分ほどの短い内容で、ボルカー元議長と自身を重ねながら、インフレと戦うというメッセージを力強く打ち出し話題となりました。

 今年(2023年)も、最後にボルカー議長をオマージュした言葉“Keep at it until the Job is done”(仕事が終わるまでやり続けます)で締めくくり、インフレと戦う姿勢を示しました。

しかし、マーケットはもっとタカ派的な内容を懸念していました。中立金利が上がると、現在2.5%でアンカーされている、FOMC(米連邦公開市場委員会)の想定するLonger Run(長期均衡金利)が上昇するのではないか。そうなると、高金利がずっと続くことになると。

ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演は「肩透かし」に終わった (C)Bloomberg/Getty Images News

ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演は「肩透かし」に終わった (C)Bloomberg/Getty Images News

パウエル議長は従来より中立金利に懐疑的だった

 ところが、パウエル議長自身、従来より中立金利に対して懐疑的でした。

 今回も、

「中立金利を確実に特定することはできないので、金融政策が十分に抑制的かどうか、その正確なレベルには不確実性がある」

と発言しています。

 中立金利上昇となると、長期金利により上昇圧力がかかるはずです。そのため、このところのマーケットでは米長期金利が上昇し、米短期金利は抑制されてきました。

 しかし、パウエル議長が中立金利に無関心を装ったため、反対売買が起こり、2年債のような短期金利は上昇し、30年債金利は低下しましたが、起こったのはこの程度です。

 安堵した株式市場は少し反発しました。為替市場における影響は限定的で、若干米ドルが安くなりましたが、「本当にパウエル議長講演したの?」と思うくらい、何も起こりませんでした。
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マーケットは従来のテーマに戻る。もっとも気になるのが中国経済の不振

 今後のマーケットは、従来のテーマに戻るのでしょう。

 最近のマーケットのテーマは

・強い米国経済(8~9月にかけて、季節性による株下落)
・サービス部門PMI急低下が気になる欧州経済
・不動産市場の調整から、減速し始めている中国経済
・正常化へ一歩踏み込んだが、しばらくは政策変更のない日本の金融政策

こういったところでしょうか。

 もっとも気になるのは、中国経済の不振です。

 世界最大のマーケットの不調は、多くの企業に影響を与えるでしょう。欧州のブランド品を買ってきたのが中国であるなら、中国経済の不振はダイレクトに欧州経済に影響を与えます。

 また、中国建設業の不振は、鉄鉱石や銅価格の下落を通じて豪州経済にも影響を与えます。
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米ドル/円はじりじりと150円方向に近づく展開か

 「脱ドル化」といった議論が最近強まっていましたが、やはり単なる言葉遊び。堅調な米国経済、高い米金利は確実に世界から資本を引き寄せるでしょう。

 そして、中国への投資が止まり、これまでの投資を回収する動きが今後強まります。

 中国人民元はこのところ軟化し、そのため中国当局は「介入強化」を指示した模様です。

 中国は巨額の外貨準備を持つので、しばらく中国人民元は対米ドルで7.35人民元のところでキャップされそうですが、断続的に大量の資金が流出し続けるのは確実です。

 今すぐではないですが、どこかで、中国人民元が急落するリスクをはらんでいると思います。

米ドル/中国人民元 日足
米ドル/中国人民元 日足

(出所:TradingView

米ドル/円相場については、じりじりと150円方向に近づくのでしょう。介入との戦いが始まります。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView


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