中国経済は爆発するのを待っている時限爆弾だ!
みなさん、こんにちは。
今月に入ってマーケットの注目は、なんといっても中国経済の失速。
中国不動産開発大手の碧桂園(カントリーガーデン)のデフォルトの可能性を筆頭に、中国不動産バブルの崩壊を指摘する報道が拡大しています。
バイデン米大統領も「中国経済は爆発するのを待っている時限爆弾だ」と過激なコメントをしています。
バイデン米大統領、中国を「時限爆弾」と表現 経済問題巡り
(出所:ロイター)
中国経済の失速という報道で真っ先に連想されるのが、豪ドル安です。
筆者は、中国経済と豪州の関連性は徐々に薄れているとし、「中国経済失速=豪ドル安」という為替のコンセンサスも次第に意識されなくなると想定しています。
ただ、中国経済の失速はグローバルに株価の低迷を誘引するため、どうしても中国経済悪化報道に対するマーケットの初動は豪ドル安となる傾向があります。
中国経済失速による人民元安が円安を誘導
では次に人民元安の影響を受ける通貨は何か?
今月ゴールドマン・サックスのストラテジストが指摘するのが日本円。
下図は米ドル/円と米ドル/中国人民元(CNH)の日足の相関チャートです。
(出所:TradingView)
昨年(2022年)の米ドル/円は、米2年債利回りに連動。そして今年の4月以降の米ドル/円は日経平均との連動を高めていました。
ただ、7月に入ってからは米ドル/円と米ドル/中国人民元との相関性が高くなっており、中国人民元が売られると日本円も売られるという展開になっています。
どちらも介入が入れば強くなるともいえますが、米ドル/円は値動きが大きくならなければ、日銀による介入も入りにくいことも確か。
中国人民元が軟調に推移している間は米ドル/円の下値余地も限定的で、米ドル/円は150円に向けて押し目買いを継続。
そして今後、豪ドルや、日本円以上に、中国経済失速の影響を受けそうな通貨があります。
それはユーロ。
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豪ドルや日本円以上にユーロも失速!
ユーロ圏経済は中国経済の動向に影響を受ける割合が高く、2022年のユーロ圏の貿易相手国の上位4位に中国が入っています。
そのため、このところの中国経済に対する失望は、ユーロ経済のリスクに拍車をかけているという見方が拡大しています。
まず、中国経済の混乱は、リスクオフ通貨であるスイスフランにとってポジティブ要因ですので、スイスフランの強さは変わらず。
結果、このコラムで注目しているスイスフランの強さに変わりなく、ユーロ/スイスフランは0.9300フランに向けて値を下げるのではないかと想定しています。
(出所:TradingView)
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最強通貨スイスフラン/円は押し目買いを継続!
では、ユーロ/米ドルの動きをここで確認してみましょう。
下図はユーロ/米ドルの日足。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルはドルインデックスが軟調に推移したことや、ユーロ/円が続伸していることもあり、7月中旬まで堅調に推移していました。ところが1.1276ドルの高値をつけてから徐々に値を下げています。
これは先週のコラムでご紹介させていただいた天然ガスの動向に加え、人民元が軟調に推移している中、ユーロ/米ドルにもついにマイナスの影響が出始めたと想定しています。
今月に入ってユーロ/米ドルの下落が鮮明となり、ユーロ/米ドルは1.0500ドルに向けて下落中。
今週も166.59円と史上最高値を更新した最強通貨スイスフラン/円の上昇は継続。
(出所:TradingView)
スイスフランは対ユーロでも強さを維持しており、ユーロ/スイスフランは0.9300フランに向けてじり安推移に。
米ドル/円は中国人民元安の影響もあり、下値余地は限定的で、150円に向けて押し目買い。
(出所:TradingView)
豪ドルや円に続いて、中国経済の失速の影響が影を落とし始めたユーロ/米ドル、ユーロ/スイスフランの下落にも注目です。
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