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 週末に米経済にとって悪いニュースが連発した。アップルがアンチ・トラスト法の違反で訴追されそうだということ、ボーイング社の飛行機の扉が飛行中に開いたこと、イーロン・マスクCEOが麻薬の常用者だったと報じられたことなどである。

 なかでも日本の羽田空港でエアバス旅客機で一人も死者を出さなかったことと比べて、ボーイングの飛行機はまた事故かという思いをさせられたので際立った。そうしたバッド・ニューズに対しても悪影響は最初のうちだけで、ニューヨーク時間の午後には切り返してきてリスクオンとなった。

 ドル円は年初に140円台に突っ込んだ以降のショートカバーに一服感が出て、143円台まで押し戻されている。しかし能登地震が起こったせいで日銀のゼロ金利解除も多少は遠のいただろうという観測も強くなって、一方向的に円高に突き進むという感じではなくなってきた。

 ところで先週は短期債についてそのネイチャーを見てきた。次は長期債について。米国債の10年ものは、長期債のトレーディングの中心銘柄として、もっともアクティブである。流動性が厚いため、10年債の利回りは長期金利のベンチマークとして使っても何の問題もないことになる。 

 一方で日本の10年債は極端に取引高が少なく、債券先物だけが取引されているというのが実情だ。顧客で10年債をほしがっている場合は、銀行や証券会社は債券先物から値段を逆算して提供している。

 米国の30年債は25年前までは長期債のベンチマークであった。それがクリントン政権のときにプライマリーバランスが赤字から脱却したことがあったのと時期を同じくして、国債発行の中心を30年から10年の年限に切り替えたのだ。

日本時間 15時00分
 

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