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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円は145円を抜けるかもしれないが、140円割れは
見込まず。3/12の米CPIと3/15の春闘集中回答に注目!
米ドル/円よりスイスフラン/円のほうが大きく下げそう

2024年03月11日(月)15:07公開 (2024年03月11日(月)15:07更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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日経平均急落! 今夜の米国株に注目

先週(3月11日~)の日本株のメジャーSQ(特別清算指数)、やはり荒れましたね。

前日の木曜日(3月7日)から、日経平均が下げ始めましたね。金曜日(3月8日)にはエヌビディアが大陰線を描きました。


日経平均の上昇を牽引してきたのも半導体関連の銘柄でしたから、今日(3月11日)の日経平均も続落しています。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

著名投資家のcisさんが「今日(3月7日)の前場で超長期以外いったん全部降りた」とポストしたことも話題になりました。


日経平均が続落するのかどうか、今夜の米国株市場が大注目ですね。米国株市場が続落するようだと、日経平均の上値も重たくなるかもしれません。

日本株に対しても、短期的な天井を付けたとする見方も増えてきたようです。


年初からわずか2か月強で一時20%上がったことを思えば、このくらいの調整は当然でしょう。


先週のメジャーSQ前日の東京市場では、オプションの動向から「今回のメジャーSQは売り」と判断して、僕も日経先物のロングは4万円台でいったん手仕舞いました。ただ、買い目線は変わりません

日本株の調整、長引くリスクも

日経平均の調整メドは?

調整が始まったばかりなのでまだ動いていませんが、3万7000円台から少しずつ打診買いする予定です。

年末には上がっていると私も思いますが、今回の調整は意外と長引く可能性もありますよね。


上昇速度が速過ぎたこともありますし、先週発表された米雇用統計の内容が悪かったことを思えば、米国経済がこのまま安泰とは限りません


米利下げが思ったより早いとなると、市場に衝撃を与えます

今のところ利下げのコンセンサスは6月開始。5月の織り込みは25%程度です。

データ次第でしょうから、明日、3月12日(火)発表の米CPI(消費者物価指数)は注目ですね。


強い数字だった1月分のCPIがノイズだったとなれば、想定よりも利下げが早いのではとの思惑が高まる可能性があります。

3月15日発表の春闘賃上げ率が焦点に

今回の日本株の調整は、日銀報道もきっかけでした。


マイナス金利解除だけでなく、YCC(イールドカーブコントロール)を撤廃するとの報道も出てきたのはインパクトがあったようです。

マイナス金利解除は3月か4月というのが以前からのコンセンサスでしたが、先週になり、急に3月予想が増えてきましたね。

観測記事には「国債買い入れ額6兆円弱」など具体的な数字が出ていますし、日銀関係者のコメントも、3月解除に向けた地ならしのようにも聞こえます。


4月以降だと米利下げと重なるため動きにくい、という事情もあるかもしれません。


その行方を占う上で、注目されるのが3月15日(金)に発表される春闘の集中回答結果。賃上げ率が強い数字になると、円高材料とされる可能性があります。

米ドル/円の下落メドは145円台半ば?

ブルームバーグは140円割れとの見通しも出していましたし、米ドル/円に対するベア(弱気)な見通しが増えてきました。

日米金利差の縮小も大きいのでしょうね。


マーケットは米国の6月利下げをほぼ100%織り込んでいますし、日本の金利もじわじわ上がってきました。


新NISAのフローがあっても、日米金利差には勝てないのでしょう。

円売りのIMM(国際通貨先物市場)ポジションがたまっていたことも大きかったのでしょう。


151円の重さを確認したことで、投機筋は151円をストップに、日銀会合(日銀金融政策決定会合)がある3月19日(火)まで下攻め、金融政策発表前後で利益確定、といった戦略をとりやすくなったのでしょう。


中期的にはまだ買い目線です。145円は抜けるかもしれませんが、140円割れがあるかどうかはわかりません。

年末安値からのフィボナッチだと、50%押しが145.50円付近です。そのあたりは利食いに使われそうですね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

史上最高値のゴールド、トランプリスクに備えか。米ドル/円よりスイスフラン/円のほうが大きく下げそう

ゴールドも上がっていますね。相関性からは米ドル安という見方になりますが。

ゴールドのETF(上場投資信託)はむしろ資金が流出していて、現物買いが入っているという話です。それなのにこんなに上がっているのは異常とも言えます。


中央銀行の買いというのが一般的な解説ですが、SWF(政府系ファンド)が入っているという話もあります。


「何に身構えて金を買っているのか?」と推測するとおもしろくて、スーパーチューズデーでトランプ勝利が確定した前後から買われていますから「トランプリスクに身構えた金買いでは」との見方もできます

今週の戦略ですが、スイスフラン/円の売りでしょうか。


米ドル/円が140円まで下がるなら売ってもいいのですが、そこまでの下落は見込んでいません


年初からの対米ドル騰落率を見ると、もっとも売られているのがスイスフランです。米ドル/円よりもスイスフラン/円のほうが大きく下げると見ています。

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:TradingView

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