明日の日銀会合、植田総裁会見が注目
明日(1月23日)は日銀会合(日銀金融政策決定会合)です。今回、大きな政策変更はないのでしょう。
いつもなら事前にリーク記事が出るのですが、今回は特にありませんね。
とはいえ、植田総裁の記者会見は気をつけておきたいですね。
先週(1月15日~)の米ドル/円は148円台後半まで上昇しました。この理由はどう考えますか?
新NISAの影響が大きかったのだと見ています。
週末に注文を出した人たちの買いが入るのが火曜、水曜あたり。実際に先週の火曜、水曜と日足が長い陽線になり、木曜以降も強かったですね。
少し気が早いですが、1月が148.20円より上で終われば、12月の陰線を包んで終わる「包み足」となり、下落余地は限定的となってきます。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
新NISAの円売り、16兆円との試算も
新NISAの影響がそれほど大きく出ているのでしょうか?
当初は年4兆円程度とされており、それでも大きいと思っていましたが、最近の推計では7~9兆円や16兆円といった数字も飛び交っています。
16兆円が本当だとすれば、インパクトは相当大きい。
先週は、1月第2週に外国人が1.4兆円を買い越していたことも明らかとなりました。
日本株買いのヘッジによる買いも支えているのでは、と指摘する向きもあります。
また、先週は米金利も上がりましたね。
相次ぐタカ派発言で3月利下げ織り込みは50%割れ
米長期金利の4%割れは下がり過ぎだと思っていましたが、あっという間に4.2%目前まで戻してきました。今度は戻りすぎのようにも思います。
(出所:TradingView)
1月31日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けたブラックアウト期間に入りましたが、先週までFRB(米連邦準備制度理事会)要人たちは、こぞってタカ派的な発言を出していました。
メスター米クリーブランド連銀総裁が「3月は利下げには早すぎる」、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「7~9月(第3四半期)になるまで当局が利下げを実施するとは予想していない」などと発言したことを受けて、3月の利下げ織り込みは50%を割っています。
昨年(2023年)末あたりから、米債市場が右往左往しすぎですね。
今週、1月26日(金)には米PCEデフレータが発表されます。
予想は3%なのですが、一部では2%台への低下を見込む声もあり、そうなると「やっぱり3月利下げかも」とのセンチメントが高まる可能性があります。
スイス中銀総裁の発言はインパクト大
トランプ前大統領がアイオワ州での予備選で圧勝し、対抗馬の1人だったデサンティスが選挙戦撤退とトランプ支持を表明しました。このまま「バイデンvsトランプ」で決まりそうですね。
トランプさんが投獄されるようなことがないかぎり、そうなるでしょうね。
ただ、これを為替にどう落とし込むかというと、イメージがまだ湧きません。
また、先週はSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])のジョーダン総裁の発言も大きな注目を集めました。
ブルームバーグのヘッドラインは「スイスフラン高、インフレ見通しを変えるほど影響大」。このインパクトは大きく、スイスフラン売りが続く可能性があります。
スイスフラン売り、通貨ペア選択は?
スイスフランを売るとしたらどの通貨ペアですか?
スイスフラン/円は2000年に58円台をつけてから170円台まで上がりました。おおよそ3倍です。
新興国ならいざしらず、先進国同士の通貨ペアが23年間で3倍になるというのは、さすがにやり過ぎです。159円をターゲットとする予想も出てきました。
(出所:TradingView)
では、スイスフラン/円のショートですか?
ただ、足もとでは米ドル/円が上がっています。
いずれ下がるにしても、今は対米ドル、対ユーロでのスイスフラン売りがいいのかもしれません。
特にユーロは今年(2024年)、パリティ(1ユーロ=1米ドル)との声もある中、底堅く推移しています。
スイスフラン売りが続くためには、ユーロ/スイスフランの上昇が必要だということもあります。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は登録後10日間無料解約可能なので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)