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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米ドル/円を押し目買い! 日本の金利は上がったが、新
NISAや海外勢の日本株買い絡みで円高になるとは思わな
い。ヨルダンで米兵3人死亡、地政学リスクが高まるかも

2024年01月29日(月)16:05公開 (2024年01月29日(月)16:05更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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米ドル/円、上値は重いが下値も堅い

先週(1月22日~)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)で、政策変更はありませんでした。


コンセンサスどおりですが、日本の金利が上がってきました。


マイナス金利解除への思惑が高まっていると解説されていますが、植田総裁の「物価目標達成の確度は、引き続き少しづつ高まっている」などの発言が意識されたのでしょうか。

日本10年債利回り 日足
日本10年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

たしかに日本の金利は上がっているのですが、それで円が買われているわけでもない


米ドル/円は148円台をキープしており、月足では先月(2023年12月)の陰線を包む形となっていて強いなと。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

先週から上値が重くはなってきましたが、下がらないですね。

新NISA、積立勢のフローが2月2日にも

テクニカル的には落ちそうな形をしているのですが、下げたところは拾われる。新NISAなど個人のお金が入っているのかなと思います。


毎月1日に積み立てる人が多く、そのフローが入ってくるのが第2営業日とも言われています。仲値なのか、夜なのかは不明確ですが、2月だと2日(金)になります。

米雇用統計が発表される日ですね。

そうなんですよね。米雇用統計が悪かったりすると、値動きがぐちゃぐちゃになる可能性もありますが、注目です。

円に代わりユーロがキャリー通貨に?

西原さんもメルマガで書いていましたが、ゴールドマンサックスやJPモルガンは「円に代わってユーロをキャリー通貨に」と推奨しているようです。


日銀がマイナス金利解除へと動き出すと。円の立場が変わってくるかもしれない。中期的な話ですが、ユーロが面白くなる可能性がありますね。

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西原宏一の「トレード戦略指令!」

ロジカルに考えると、そうなりますよね。


別の銀行も同じような意見を出しているのですが、ユーロが本格的にキャリー通貨になるのは、今年(2024年)第2四半期ではとの分析でした。個人的にもそう思います。

先週のECB(欧州中央銀行)理事会でラガルド総裁は「利下げは夏以降」とのスタンスを堅持したにもかかわらず、市場はハト派的と捉えたのか、発言後にユーロ売りが加速する場面もありました。

本意は違うのではないか、ということですね。


ただ、キャリー通貨が円からユーロへ移っても、円高かと言われるとそうは思いません。新NISAがありますし、日本株が海外勢から買われればヘッジの円売りも入るでしょう。

ヨルダンで米兵3人が死亡。米国は報復を宣言

今週水曜日(1月31日)の深夜はFOMC(米連邦公開市場委員会)もありますね。


金利は据え置きですが、次回3月のFOMCで利下げがあるのかどうか。パウエル議長のメッセージに注目です。

気にしているのが、今朝(1月29日朝)入ってきたニュース。


ヨルダンとシリアの国境付近で、米兵3人がドローンの攻撃により死亡しました。バイデン大統領は即座に報復を宣言しています。

今朝のWTI原油は窓を開けて上昇しました。


ショートカバーだと思いますが、需給がゆるく上がらないだろうと思っていた人が多いため、アメリカの態度次第では地政学リスクで急騰するリスクもありそうです。

自国の兵士が死んだとなると、米国の世論も沸騰するでしょう。

このあと欧米市場の反応にも気をつけたいですね。

米ドル/スイスフランのIV上昇は地政学リスクの高まりを警告か

先週から米ドル/スイスフランのIV(インプライド・ボラティリティ、予想変動率)が上がってきています。


今週(1月29日~)はFOMCや米雇用統計などのイベントを控えていることもありますが、ちょっと気持ち悪いなと思っていました。


そこへ来て今回のニュースですから、スイスフランがセーフヘイブン(避難通貨)として買われる予兆なのかもしれません。


個人的には、スイス中銀がスイスフラン高を牽制したこともあり、スイススイスフラン安だとは思うのですが。

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新NISAの円売り、16兆円との試算が本当ならインパクトは相当大きい! スイス中銀総裁の発言が大注目で、スイスフランは売り。ただし、対円よりも対米ドルか対ユーロで(1月22日、西原宏一&大橋ひろこ)

地政学リスクの先行指標となっているのかもしれませんね。避難通貨といえば以前は円でしたが……。

米ドルは利下げを控え、ユーロはキャリー通貨となりつつあり、円安も続く。中国不安がありオセアニア通貨も買いづらく、スイス中銀はスタンスを変えた、英ポンドは中央銀行が信用できない――そうなると買える通貨が見当たらないですね。


今週のFOMCなどをきっかけに、方向感がはっきりしてくれるといいのですが。

今週は米企業の決算が続々。米ドル/円は押し目買い

今週はマイクロソフトやアルファベット、アマゾンやアップル、メタなど米企業の決算も発表されます。


内容次第ですが、米株が調整するようなことがあると、為替も反応するかもしれません。

いちばん注目なのはエヌビディアの決算ですが、まだ先ですね。

エヌビディアは2月21日(水)ですね。

今週の戦略ですが、米ドル/円の押し目買いでしょうか。


148円台は買いたくないですし、150円をすんなり抜けるとも思いませんが、落ちたところは買っていいのではないかと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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