世界の投資家が大注目のエヌビディアの決算は?
みなさん、こんにちは。
本日(5月23日)日本時間未明に今週最も注目された決算が発表されました。
それは米半導体大手エヌビディアの2024年2~4月期決算です。
発表によれば、純利益が前年同期と比べ7.3倍の148億8100万ドル(約2兆3300億円)、売上高が同3.6倍の260億4400万ドルという市場予想を上回る数字でした。
純利益が前年同期と比べ7.3倍というのが凄まじいですね。
このエヌビディアの好決算の背景をあらためて確認すると、ChatGPTなどの生成AI開発競争の激化に伴う、AI開発に不可欠なGPU(画像処理半導体)の需要急増があげられます。
エヌビディアはAI向けGPU市場で圧倒的なシェアを誇っており、この需要増の恩恵を最大限に享受していることがあらためて確認された形。
決算発表後、22日の米株式市場の時間外取引でエヌビディアは同日終値から一時5%近く上昇する局面もあったようです。
よって本日の株式市場で、東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなどの半導体製造装置メーカーの押し上げ要因になりました。
日経平均株価はエヌビディアの好決算をきっかけに、4月からの調整局面を早晩終了し、再びじわじわと4万円台に向け反発へ。
(出所:TradingView)
次に株高が為替市場にどう影響するかを展望してみましょう。
ニュージーランドは7会合連続で政策金利を据え置き
まず、株高=リスクオンの流れで連想されるのが、リスクアセットである豪ドル/円やニュージーランドドル/円。
今回僕が注目しているのは、ニュージーランドドル/円です。
22日に発表されたRBNZ(ニュージーランド準備銀行)金融政策決定会合では、政策金利であるOCR(オフィシャル・キャッシュレート)を7会合連続で5.5%に据え置くことを決定しました。
これはマーケットのコンセンサスどおり。
次にRBNZは、消費者物価指数(CPI)上昇率が依然として金融政策委員会(MPC)の目標レンジである1-3%を上回っており、国内サービス価格のインフレも根強いと指摘。
「委員会はインフレ率が合理的な時間枠内で目標に戻ることを確実にするため、金融政策が景気抑制的であり続ける必要があるとの見解で一致した」と説明しています。
そしてRBNZは、インフレ圧力がなお続いているとして、金利のピーク予想を引き上げ、利下げ開始時期を2025年第3四半期に延期しています。
2024年ではなく2025年後半の利下げ開始予定ということは、あと1年以上、現在の高金利が続くことを意味します。
これはニュージーランドドルの買い要因。
(出所:TradingView)
ニュージーランドドル/円は一時17年ぶりの高値である96.11円まで急騰しています。
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FOMC議事要旨で米2年債利回りが上昇、米ドル高に
一方、本日日本時間未明に発表されたFOMC議事要旨(4月30日-5月1日開催分)では、政策金利をより長期に高水準で維持することが望ましいとの認識で当局者が一致したことが示されました。
結果、米2年債利回りが上昇し、米ドル/円は156円台後半まで反発しています。
(出所:TradingView)
米ドル/円は依然として152~157円のレンジ圏での推移。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は152~157円をレンジとした調整局面だが、152円の重要サポートを割り込むと深い下落に要注意!金利先物市場は、米国の9月利下げを100%織り込む!(2024年5月16日、西原宏一)
ただ、FOMC議事要旨で示されたように、年内FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待はどんどん後退しており、米2年債利回りの動向から考えれば、レンジ上限の157.00円をブレイクすると、再び160.00円をトライする公算が高まっています。
(出所:TradingView)
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ニュージーランドドル/円は100円に向け堅調推移!
今週のRBNZがタカ派だったことから、ニュージーランドドル/米ドルは底堅く推移。
一方、FOMC議事要旨を反映するかたちでで米ドル/円も堅調に推移。
ニュージーランドドル/円はニュージーランドドル/米ドルと米ドル/円の合成通貨ペアですので、ニュージーランドドル/円が続伸する可能性が高まっています。
今週のRBNZ金融政策決定会合により、利下げ開始時期が2025年第3四半期に延期される可能性が高まり、ニュージーランドドル/円は上昇再開。
(出所:TradingView)
一時17年ぶりの高値をつけ100円に向け堅調に推移するニュージーランドドル/円の動向に注目です。
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