ドル金利が高まっている。昨日は10年債の利回りが4.20%を超えてきて、3ヶ月ぶりの水準に逆戻りした。様々な経済指標が金融スタンスのタイトニングを要請しているのに、期待にあおられて利下げを敢行したことの反動が出ている。
ドル円は朝がたに151円台の前半で始まったのだが、まったく割高感が出なかった。そこからでも買っていかないと置いていかれてしまうというブル姿勢がとても目立った。150円に乗せてからは、そこがネックラインとしてワークしており、またそれがボトムアップしてきている。
ドル円は欧州時間に153円台までついて、まずますドル円の買い安心感につながっている。ユーロドルのほうはスピードこそ遅いものの、それでも着実にドル高へと向かって進んでいる。
ところでマーケットでは日本売りの様相が強まってきた。ドル円、ユーロ円は高く、日本株は下げてきた。そしてしばらく止まっていた円債も下げを見せてきている。こうなったのはひとえに自民党の選挙での大敗が見えてきたからだろう。総裁は勝敗ラインを自公で過半数としているが、それすらも危なくなってきている。
すでに他の補完勢力がどこになるのかの観測まで出てきている。よそと手を組むにしても、それはいろいろなお金のかかるバラマキ政策を飲むと言うことを意味している。来年に参院選を控えているのだか、閣外協力をするにしても何か成果が欲しいからだ。
政治とお金の問題もあるだろうが、ここに来て目立つのはついこの前までの総裁選との比較においてである。総裁選では候補があれだけそれぞれ主張をしていて盛り上がったのに、総裁が決るとまったくそれがなくなってしまったことである。とくに石破氏はこれまでも「総理大臣にしたい政治家」のナンバーワンだったのだが、その根拠になるところの角のある発言がなくなったことが政治に対する失望感が大きい。
通常ならば与野党ともに浮動票をいかに取り込むかに、選挙キャンペーンの重心を置く。固定層はあまり変わった投票行動をしないと思われるからだ。それが今回の自民党はその浮動票が取れないから勝てないのではなく、自民党を支持していた人が石破政権に失望を感じたので投票に行かないという負け方になってしまうのかもしれない。
今晩は各国での景況感が出る。ECBでは中立金利よりも低いところまで金利を引き下げる必要性が話し合われているという。米欧での対比が明確であれば、ユーロドルは一段安となるかもしれない。要ウォッチだ。
日本時間 16時00分
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