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 トランプ新政権による非常事態宣言かということで、ちょっと身構えた水曜日であったが、昨日はカーター元大統領の国葬のため、さすがに世界は静かだった。グローベックスは半日営業となり、為替相場もニューヨーク時間の午後からはほとんど動かなくなってしまった。

 それにしてもトランプ氏が新大統領になるというので、ちょっと身構え過ぎなのではないかとも思える。自由貿易だと思っていたのが高関税がかかるかもというは、あまりにも時代が19世紀にまで逆戻りし過ぎた。たしかにアメリカのヘゲモニーにタダ乗りしていた他の国に対して、アメリカ国民が怒るもうなづけるのだが。

 米国で政権交代が起こったからと言って、米国自体がこれまで築き上げてきた各国との枠組みまでを崩壊させることはないのではないか。米政府としてのスタンスの一貫性が疑われるからである。

 しかしトランプ前政権のように地球温暖化協議から離脱したり、世界中が嫌がっているのにエルサレムを首都であると認定したりしている。やはり何をしでかすかわからないのだという恐怖を与えているのである。

 それに比べて態度が軟弱に見えるのは、企業の経営者たちである。これまで脱炭素とかLGBTQや多様性を叫んでリベラルな政策を推進していた連中も、手のひらを返したように意見を変えてしまっている。フェイスブックなども迎合の姿勢を見せ、ファクトチェック機能の停止を表明するなど、検閲なしの自由な環境を主張しだしている。

 企業なのだから利益重視しなければならないし、確かに行き過ぎた面もあっただろうが、あまりにもえげつない感じもする。それまで大事にしてきた社風と言うものもあるだろうに。

 さて今晩は注目の雇用統計である。失業率が予想通りの4.2％であれば景気後退を示すサームルールに引っかかることになる。8月の雇用統計の発表の後にもこれを嫌気して大きくリスクオフとなったが、今回は同じ反応になるものかどうか。またこのところの強さをキープする雇用データを反映するものであれば、ドル金利の上抜けとドル一段高を促すことになるだろうし要ウォッチだ。

日本時間 15時00分

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