円高が進行。2月7日と伝えられる日米首脳会談で円安修正が議題にあがるのではないかとの憶測で
みなさん、こんにちは。
先週(1月27日~)から始まった円安修正の波が、今週(2月3日~)顕著になってきました。
先週のコラムでは、豪ドル/円やスイスフラン/円に対して、円高が進行すると予想していましたが、その流れが加速しています。
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本稿執筆時点での米ドル/円は一時152.00円割れまで米ドル安・円高が進行しています。
(出所:TradingView)
その材料は、2月7日(金)と伝えられる日米首脳会談です。
日米首脳会談では、トランプ米大統領が日本に関税を課す「リスクはほとんどない」というのがマーケット参加者のコンセンサス。
ただ、円安修正が議題としてあがるのではないかとの憶測が拡大しています。
その理由は、トランプ米大統領が第1次政権時に対日貿易赤字を問題視していたため、今回も石破茂首相に対し、まずは円安修正を求める可能性があるとの連想です。
もうひとつの憶測は、ベッセント米財務長官も「円安に不満を抱いているかもしれない」と考える参加者が増えていることです。
トランプ政権の貿易政策が具体化していく中で、日本は関税をかけられるリスクはほとんどないとされていますが、円安を放置しておけば、逆に関税リスクが高まるのではないか?との懸念が残っているわけです。
こうしたことを材料に、今週の米ドル/円は続落。
テクニカルでチェックすると、米ドル/円の日足の一目均衡表は転換線が基準線を下回る「デッドクロス」が生じた後、遅行スパンがローソク足を下抜け、雲の下限となる153円台前半を下抜ける「三役逆転」状態になっており、下値が徐々に拡大しています。
(出所:TradingView)
ただ、他通貨に対しては米ドル/円ほど米ドルが大きく下落しているわけではないため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が総じて下落。その中でも注目しているのがユーロ/円です。
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日米首脳会談に向けて米ドル/円の上値が重く、関税圧力でユーロ/米ドルの上値も重いとなれば、ユーロ/円は下落することに
今週は、米ドル/円中心に総じて米ドルが軟調に推移している中、対ユーロでは米ドルが下げ渋っています。
その理由は、トランプ政権からの関税圧力です。
トランプ米大統領は2月2日(日)夜、欧州連合(EU)に対し新たな関税を「間違いなく」課すことになるだろうとコメントしています。
加えて、対EU貿易赤字のほか、EUによる米国車や農産物の輸入が不十分だと不満を示しており、EUに対して、彼の言葉のとおり関税がかけられる可能性はかなり高まっています。
そのため、ユーロ/米ドルに関しては、依然としてパリティ(1ユユーロ=1.00ドル)割れを想定している金融機関が多い。
ゴールドマンのFXストラテジストは、成長率と金利の差と貿易の不確実性から、ユーロ/ドルは0.97ドルまで下落すると予測しています。
(出所:TradingView)
日米首脳会談に向けて米ドル/円の上値が重く、関税圧力でユーロ/米ドルの上値も重いとなれば、ユーロ/円は下落することになります。
本稿執筆時点でのユーロ/円は一時157.92円と年初来安値を更新しています。
ただ、米ドル/円に関しては、日米首脳会談でなにも目新しいことが出なければ、反発に対して警戒が必要。
トランプ関税の影響懸念が高まり、下値余地が拡大しているユーロ/円に注目です。
(出所:TradingView)
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