日銀の利上げ観測が高まり、為替市場は円高が進行
今週(1月13日~)に入り、1月23日(木)~24日(金)の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が急速に拡大しています。
氷見野良三日銀副総裁は1月14日(火)に横浜市での記者会見で、23、24両日に開く金融政策決定会合について「焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」とコメントしました。
また、1月16日(木)には植田日銀総裁が「来週会合で利上げ判断」とコメント。植田総裁は12月の時点では「春闘を見て判断しても遅くない」との立場でしたが、先月(12月)の「もうワンノッチ欲しい」とのコメントは、米ドル/円の為替水準を指していたのではないかとの見方も出ています。
この当局の一連のコメントを受け、金利スワップ市場では来週(1月20日~)の日銀金融政策決定会合での利上げ織り込みが7割台に上昇。これに伴い為替市場では急速な円高が進行しています。
(出所:TradingView)
日銀会合後は円安相場に回帰すると想定。利上げの可能性の高まりによる円高相場は、中期での米ドル/円の買い場に!
前述の1月の日銀利上げの可能性の高まりにより、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が急落しています。
本稿執筆時点では、米ドル/円が154.21円、ユーロ/円が一時160円割れ、英ポンド/円も190円を割り込んでいます。
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野村証券は「株安を回避できれば日銀利上げが円安を抑制すると想定され、特に主要クロス円のリスクは下向きと判断できる」と分析しています。
ここで注目すべきは、米ドルが全面安になっているわけではないという点です。
2025年年初来の主要通貨の騰落率を見ると、米ドルは日本円に対して下落していますが、英ポンドやユーロに対しては上昇しています。
これは、いわゆる「トランプ2.0」と呼ばれる米ドル高基調が継続していることを示しています。
金利スワップ市場の見通しでは、次回の利上げは10月とされており、来週(1月20日~)の日銀会合までは円高が進行しても、その後は円安相場に回帰すると想定しています。
来週の日銀会合の動向に注目が集まります。
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