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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円は150円台へ下落後は反発も上値は重い。
トランプ関連を中心に多くのニュースが飛び交う中、
ボラティリティの極めて高い相場は継続するのか?

2025年02月10日(月)16:16公開 (2025年02月10日(月)16:16更新)
西原宏一&叶内文子

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トランプ大統領の動向と関税問題が焦点となった1週間

西原宏一(以下、トレーダー西原) みなさん、こんにちは。立春からの大寒波には驚かされましたね。

叶内文子(以下、MC叶内) 大雪の影響が心配です。被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。

トレーダー西原 それでは、先週(2月3日~)の株式市場を振り返りましょう。

MC叶内 トランプ氏の動向と関税問題が焦点となった1週間でした。米国株は高値圏ながら、3指数とも下落しました。

 S&P500が-0.24%、NYダウが-0.54%、ナスダック総合指数が-0.53%です。ただし、各社の決算発表に注目が集まり、指数としては方向感の乏しい展開でした。注目銘柄のアルファベット(グーグルの持株会社)、Amazonは決算発表後、大幅な売りに見舞われています。

 経済指標は好不調まちまちで、週末の米雇用統計もNFP(非農業部門雇用者数)は予想を下回る一方、失業率は改善という結果でした。懸念材料として、ミシガン大学消費者信頼感指数のインフレ期待上昇にともなう金利上昇が挙げられます。

 日経平均は週間で785.47円安(-1.98%)の3万8787.02円と、2週連続の下落となりました。

日経平均 週足
日経平均 週足

(出所:TradingiView

 カナダ、メキシコへの関税措置の報道とそれに対する両国の報復措置表明を受け、週初から1000円超の大幅安となりました。ただし、両国がフェンタニル対策を講じることで関税措置は延期され、過度な警戒感は後退しました。

 一方、対中国への10%追加関税は発動され、株価の戻りは限定的でした。週間の4営業日が陰線となり、売り圧力が強まっています。

 円高傾向も株安要因となっています。12月の現金給与総額が+5.2%と大幅な伸びを示したことや、田村審議委員の「政策金利を25年度後半には少なくとも1%程度まで引き上げることが必要」といった発言により日銀の早期追加利上げ観測が高まりました。

 「DeepSeek」の影響は一時的に和らいでいますが、AI・半導体関連銘柄の値動きはまちまちです。このような環境下、投資資金は新興市場へ向かう動きが見られました。

 為替市場の状況はいかがでしょうか。

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日米首脳会談への思惑から米ドル/円は一時150円台まで下落

トレーダー西原 叶内さんの指摘のとおり、先週(2月3日~)は多くのニュースが飛び交い、為替市場のボラティリティは極めて高い状態が続きました。

 まず、2月第1週の主要通貨の対米ドルでの騰落率を確認しましょう。対米ドルでもっとも上昇したのは日本円、もっとも下落したのはユーロでした。この結果、先週(2月3日~)のユーロ/円は大幅な続落となりました。

米ドルに対する主要通貨の騰落率
米ドルに対する主要通貨の騰落率

(※筆者提供)

 ユーロ下落の加速要因は、トランプ大統領の発言でした。トランプ政権は、メキシコやカナダへの関税措置は延期したものの、EU(欧州連合)に対しては「間違いなく」新たな関税を課すとのコメントを発表。これを受け、ユーロ/米ドルの下落が鮮明になりました。

 一方、米ドル/円は2月7日(金)開催の日米首脳会談を巡る思惑から変動しました。

 マーケット参加者の多くが、日本に追加関税がかけられるリスクはほとんどないと見ていたものの、円安については両国間の「潜在的な問題」と示唆される可能性が意識され、一時150円台まで下落。結果的に、ユーロ円は155円台まで下落しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingiView

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:TradingiView

 週明けの米ドル/円は、日米首脳会談が無事終了したことを受けて152円台まで回復しています。

 それでは、今週のイベントを確認しましょうか。

日経平均はテクニカル面での悪化が気がかり

MC叶内 米国では、以下の経済指標に注目が集まります:

- 12日:CPI(消費者物価指数)
- 13日:PPI(生産者物価指数)
- 14日:小売売上高、鉱工業生産

 1月CPIについて、コア指数(食品とエネルギーを除く)は、前回の前月比0.2%上昇から、0.3%に加速することが予想されています。総合では+0.2%への鈍化が見込まれています。

 小売売上高は、12月の+0.4%から0.0%への落ち込みが予想されています。これは、自動車販売台数が前月比-7.1%と大幅減少したことが主因です。ただし、トランプ減税に向けた駆け込み需要が見られれば、プラス圏での推移も考えられます。

 これらの指標に加え、2月11日(火)、12日(水)に予定されているパウエルFRB議長の議会証言から、今後の金融政策の方向性を探ることになるでしょう。

 国内では、10日の景気ウォッチャー調査と12日の工作機械受注に注目しています。また、10~11日にはフランスでAIサミットが開催される予定です。

 今週(2月10日~)の株式市場は11日(火)が日本の祝日となるため、やや動きが限定的となる可能性があります。引き続き、トランプ大統領の動向には要注意です。

 内需関連や小型株に投資機会があるかもしれません。

 日米首脳会談の結果に対する市場の反応は、個人的には予測が困難な状況です。日経平均株価は昨年(2024年)9月から3万8000円から4万円のレンジ相場が継続していますが、200日移動平均線が下向きに転じるなど、テクニカル面での悪化が気がかりです。

 今週(2月10日~)の為替市場の注目点はいかがでしょうか。

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米ドル/円は上値が重く、ユーロ/円、スイスフラン/円で下値余地拡大

トレーダー西原 日米首脳会談は無難な結果となりました。しかし、10日(月)早朝、トランプ米大統領が「鉄鋼とアルミへの25%関税」を発表したことを受け、ユーロ/米ドルや米ドル/スイスフランでは米ドルが底堅い展開となっています。

 対欧州通貨での米ドル買いを背景に、米ドル/円も152円台を回復しています。

 ただし、トランプ大統領とベッセント財務長官が水面下で円安に不満を抱いているとの観測も根強く、米ドル/円の上値は重い状況です。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingiView

 このため、先週(2月3日~)同様、ユーロ/円やスイスフラン/円の下値余地が拡大しています。

 特にスイスフランについては、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])がマイナス金利の採用も辞さない姿勢を示していることから、上値が極めて重い状況が続いており、注意が必要です。

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足

(出所:TradingiView

トレーダー西原MC叶内 では、今週(2月10日~)も株式と為替のトレーディングを楽しんで参りましょう。


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