トランプ米大統領就任演説での即時の関税引き上げ見送りや、スターゲイトプロジェクト発表で、S&P500は1カ月半ぶりの最高値更新
西原宏一(以下、トレーダー西原) 1月25日(土)に東京原宿のダイヤモンド本社で、メルマガ会員限定の少人数セミナーを行いました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。
叶内文子(以下、MC叶内) 今回はご都合の合わなかった方、次回ぜひ♪
トレーダー西原 1月25日(土)セミナーの動画がアップされています。ぜひご視聴ください。
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感謝、感激です。よろしくお願いします。
ではまず、先週(1月20日~)の株式市場を振り返ってみましょうか?
MC叶内 1月20日(月)のトランプ米大統領就任演説の内容は、これまで述べてきた政策方針と大きく変わらず、100の署名をすると言われていた大統領令は、実際には42件。しかも、懸念された即時の関税引き上げは見送られたことで、市場に安心感が広がりました。
また、トランプ米大統領が巨額のAI投資計画「スターゲイトプロジェクト」を発表し、エヌビディア、ソフトバンクなどAI関連銘柄が人気化しました。
米国株は1月20日(月)の祝日明けから堅調に推移し、S&P500は1月23日(木)に1か月半ぶりに最高値を更新しました。
(出所:TradingView)
日本株も強い展開で、日経平均は一時4万円台に乗せるなど、前週末比1480円(3.9%)高の3万9931円と4週ぶりの上昇となりました。
1月24日(金)は日銀会合(日銀金融政策決定会合)で予想どおり0.25%の利上げが決定され、やや円高に進んだことから、5日ぶりに反落して終えています。
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1月24日の日銀利上げは織り込み済みで、米ドル/円は下げ渋り。欧州通貨が反発した結果、クロス円が上昇
トレーダー西原 為替は、欧州通貨の反発が印象的でした。
カナダ、メキシコに続き、欧州もトランプ政権から繰り出されると噂される関税に神経質になっており、昨年末から上値の重い展開ながらも、ユーロ/米ドルはパリティ(1ユーロ=1.00ドル)どころか、1.0100ドルさえなかなか崩せない展開でした。
そして、トランプ政権初日にまず関税が発動されなかったことから、ユーロ/米ドルは反発。先週は一時1.0521ドルまで上昇しています。
(出所:TradingView)
主要通貨に対して総じて米ドル売りになった一方、対円だけ米ドルは別の動き。
1月24日(金)の日銀の利上げは、金利スワップ市場で100%織り込まれていたので、米ドル/円は下げ渋り。
【※関連記事はこちら!】
⇒日銀会合後の円安に警戒! 1/24の日銀利上げは100%織り込まれ、米ドルの利食い売りが出ても円高余地は限定。日銀追加利上げはかなり先の話で、円安の公算が高い!(1月23日、西原宏一)
結果、ユーロ/円を中心にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
今週(1月27日~)は、その動きが続くのかどうかを見極める週となりそうです。
では、今週のイベントを確認してみましょう。叶内さん、お願いします。
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今週もトランプ政権から繰り出される関税関連報道に要注意! 中国新興企業発のAI、DeepSeekがリリース
MC叶内 今週のスケジュールを確認します。
1月28日(火)、29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれるほか、1月30日(木)にECB(欧州中央銀行)も政策金利を発表します。同日には氷見野日銀副総裁の講演もあります。
指標面では、1月27日(月)の中国1月製造業PMI、1月28日(火)の米1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、1月30日(木)の米10-12月期GDP、1月31日(金)の東京都区部CPI(消費者物価指数)、米12月のPCEデフレータが注目です。
今週は決算発表も重要なものが目白押しです。1月27日(月)にファナック、日東電工、1月29日(水)に信越化学、アドバンテスト、蘭ASML、米テスラ、マイクロソフト、メタ(日本時間1月30日早朝)、1月30日(木)にインテル、アップル、1月31日(金)に日立、キーエンス、コマツなどなどです。
今週の為替での注目は、FOMCとECBの政策金利発表ですよね。それぞれの予想はいかがですか?
トレーダー西原 今回のFOMCは据え置き。ECBは0.25%の利下げが、金利スワップ市場ではほぼ98%織り込まれています。
ただ、今週もトランプ政権から繰り出される関税関連の報道に要注意です。これはのちほど、コメントしますね。
今週の株式市場はいかがですか?
MC叶内 マグニフィセントセブン(※)のうち、4つも決算発表があり、様子見ムードで始まることが考えられます。
(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)
トランプ米大統領の関税に関する言及や、スターゲイトプロジェクトへの否定的な見方も出ており、一直線に上値追いは考えにくいです。
中国新興企業発のAI、DeepSeekがリリースされました。これが最先端のチップを使わず、画期的なAIモデルを構築しており、巨額設備投資の有用性に疑問を投げかけるとの見方や、米企業のライバルになるとの思惑が出ており、米ナスダック100先物が下落。東京市場も週明けは半導体・AI関連に売りが出ています。
ここまで上昇が急だったための利食いとも考えられますが、見極めたいところです。
先週、東京市場の売買代金が4兆円台と少し増えてきましたが、もうひと声ほしいところ。先週はAI関連に加え防衛関連なども物色されましたが、さらにすそ野が広がるのか、小型株にも買いが及ぶのかなども見たいところです。
為替市場はいかがですか。
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米ドル/円は154.50~157.50円のレンジで押し目待ち。トランプ政権の関税報道での下落をうまく利用して、クロス円も押し目買い
トレーダー西原 為替市場に行く前に、DeepSeekに関して個人的な印象を。
DeepSeekはAPIのコストが桁違いに安いことが特徴で話題になっていますが、導き出される答えがかなり中国寄りになっていることも特徴なので、今後のマーケットの判断を待ちたいところですね。
本日(1月27日)早朝、 トランプ米大統領がコロンビアからのすべての輸入品に25%の関税をかけるとの報道で、いったんリスクオフ相場になっています。
(※編集部注:トランプ政権はその後、コロンビアが強制送還も含めた不法移民の受け入れに合意したことで、関税発動を撤回すると発表)
ただ、関税の話題で一時的にクロス円が下がることはあっても、
欧州通貨は基本底堅い。
トランプ政権から繰り出される関税に関する情報での下落をうまく利用して、米ドル/円、クロス円を押し目買いといった方針です。
米ドル/円は154.50〜157.50円のレンジでの押し目待ちといったところでしょうか?
(出所:TradingView)
トレーダー西原 MC叶内 それでは今週も、株、為替のトレードを楽しんで行きましょう。
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