【オンライン交流会開催のお知らせ】
田向さんのFXメルマガ『田向宏行のダウ理論で勝つ副業FX!』で、オンライン交流会の第33回目の開催が決定しました!開催日時は、2月7日(土)20時30分からで、参加できるのは1月28日(火)までにメルマガ購読者となった方です(見逃した方は期間限定アーカイブ配信も視聴可能)。
前回(第32回)は60名近い方にご参加いただき、トレード戦略の相談があったり、ダウ理論への認識やFXの総合力といった話題になりました。第33回は今回のコラムでも取り上げるドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)の窓開けについて理解を深める回となりそうです。
ドルストレートは米ドル/円を除き、日足が窓開けした。トランプ米大統領の関税措置で、米ドル買いを仕掛けた人が多くいた
昨日(2月3日)は週初のオープンから米ドルが買われ、ドルストレートは米ドル/円を除き(※)、日足が窓開けするなど大きく動きました。
(※米ドル/円が下げやすいのは、先々週の当コラムをご参照下さい)
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円の1/9(木)の窓開けは、大口トレーダーの売り仕掛けと考えるべき! 月曜でも年末年始でもない木曜の窓開けは特異で、トランプ大統領就任前後でも流れ変わらず(1月22日、田向宏行)
ドルストレートが動いた影響で、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も動きました。
ただ、トランプ劇場なので、2月3日(月)がクローズするころには、100pips程度あった大きな窓も埋まっていて、昨日は上下に大きく動く相場でした。
流動性が高いドルストレート日足が、週初オープンで窓が開くほど動いたのは、週末中の2月1日(土)にトランプ米大統領が、メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を2月4日(火)から課す大統領令に署名したからです。
この署名で、トランプ米大統領の関税措置がやっと始まったのかと考え、米ドル買いを仕掛けた人が多くいたのだと思います。
同時に、トランプ劇場の幕開けかもしれない、大相場が始まるかもしれないと考えた人も多かったはずで、だから窓が開いています。
私もその可能性を考えたひとりで、日曜(2月3日)に臨時でメルマガを配信しました。
田向宏行のダウ理論で勝つ副業FX!
2025年2月2日(日)10:42の配信メールより一部抜粋
EURUSD 週足と日足と1時間足
明日のマーケットは、トランプ大統領がついに関税を持ちだしたか、ということで週初のオープンから動く可能性があります。
~中略~
この点から、1/31安値=1.0349の下に売り逆指値を置き、日足レンジ上限となる1/30高値=1.0467の上に損切り逆指値を置いて売り仕掛けすることができます。
そして、マーケット参加者がこのように考えたため、おそらく週末の間に、米ドル買い注文や米ドル売りポジションの解消が大量に入ったものと思われます。
こうした大量の注文があらかじめ入っていたため、週明けのオープンとともに、マーケットは大きく窓を開けて始まる大荒れの相場となりました。これは為替市場だけでなく、株式市場でも同様でした。
FX相場はオープンで大きく動いた後、膠着した。想定より不利な値段で約定した新規ポジションへの対応は?
ところが、オープンで大きく動いた後、FX相場は膠着しました。
ユーロ/米ドルは窓が開いたので、日曜のメルマガ配信の戦略に従った会員の方は、当初の想定より不利な値段で新規ポジションが約定したはずです。これは私自身の新規ポジションもそうでした。
そこで、月曜(2月3日)昼前の配信では、損をしないで撤退する戦略を配信しました。
田向宏行のダウ理論で勝つ副業FX!
2025年2月3日(月)11:14の配信メールより一部抜粋
EURUSD 日足の窓
このため、EURUSDを週末の間に注文した方は、約定値がかなり下になっていると思います。これは私も同様です。
~中略~
もし現在のポジションが不安で、解消を考えるなら、約定値の下か、本日高値の上、ぐらいに決済注文を置くか、成行で決済することになります。
~中略~
要するに、約定値が注文よりズレたことで、日足レンジ上限=1.0467(1/30高値)と約定値の損切り幅が拡大したので、その想定外の損失を容認できるかどうかの問題です。
広がった損切り幅でも容認できるなら、ポジション解消という対応をする必要はなく、そのまま値動きを見守ることになります。
月曜のポジション解消に従った方は、あまり損失を出さないでポジションを決済しているはずです。
また、そのまま保有することを選択した方は、その後巻き戻しになっていますが、この配信のとおりにダウ理論に従った損切りポイントにしていれば、損切りにはかかっていません。
2月3日の米ドル買いが続かない可能性を考えたのは、週足で方向感が出ていない点と、関税開始が2月4日に設定された点から
私が月曜(2月3日)に、米ドル買いの動きが続かない可能性を考え、撤退ポイントを配信した理由は、チャートの示す値動きと、関税措置の開始が2月4日(火)に設定された点です。
まず、チャートが示す値動きですが、ダウ理論でチャートを見ると、主要なドルストレートは週足のレンジ内での推移です。週足では明確に方向感が出ているわけではありません。
(出所:TradingView)
ということは、週足では米ドル買いに傾いておらず、市場参加者の考えがここに表れています。
私は、トランプ劇場のスタートでこれが動き出すことに期待して日曜(2月2日)に配信しましたが、月曜(2月3日)の時点でそこまでの動きにはならなかったということです。
日足でなく週足に注目している点は流動性と関係しており、この点はオンライン交流会などでメルマガ会員の方にご説明しています。
次に、関税措置です。
こちらは私のエセ・ファンダメンタルルズというか、テクニカル以外の部分です。
トランプ米大統領が本気なら、関税を即日施行するはずです。それが、2月4日(火)まで猶予を与えるということは、この間に相手国を脅しながら、自分に有利な交渉をするのだろうと考えたわけです。
おそらく、市場参加者の多くもこうした考えだったのでしょう。だから、相場は月曜オープンで動いた後は膠着して、そのあとが続きませんでした。
そして、実際に2月3日(月)の欧米時間になると、先ほど触れたように、メキシコやカナダとの交渉で関税措置が1カ月延期されることになりました。
こうした相手国の動きで相場は急激に巻き戻され、窓を開けていたドルストレートの多くは窓を埋めてきています。
個人投資家が「トランプ劇場」を見定めるのは難しい。トランプ政権4年間は特にチャート分析の技術が求められる
こうしたトランプ大統領の動きは、まさに「トランプ劇場」です。大統領令の発令が、実は「芝居」の要素があるのかもしれません。
こうなると、トランプ政権からのニュースやヘッドラインで取引を考えるのはリスクが高くなりそうです。私のような個人投資家は、特に米国政治に精通もしていないし、英語も堪能ではないため、トランプ政権の動きを見定めるのは難しいと思います。
また、私たち一般人は、大統領などの公人は一定の真実を伝えるものを思っています。
しかし、トランプ米大統領は目的のために手段を選ばない人です。従来の思い込みは通用しないと考えておく方がいいのだと思います。
では、私たち個人投資家はどうやって相場を判断すればいいのか。それは、やはりチャートなのだと思います。
拙著『相場の壁とレンジで稼ぐFX改訂版』などでも書いていますが、相場は売り手か買い手のどちらかが多数になり、相場の壁を越えないと動きは出ません。とても単純です。
ですが、多くの方はチャートの基本を学びません。ネットに溢れる枝葉末節を集めているだけで、体系的に理解している人は少ないのだと思います。テクニカルでうまく行かない人はこういう人だと思います。
基本を学べば、誰でもいつからでも、チャートを読み取ることはできるようになります。
マーケットのプロたちは、おそらくトランプ政権がこうしたやり方をすることは、ある程度分かっていたことでしょう。
だから、為替市場は引き続き、トランプ大統領の政策実行を見定めている可能性があり、それがチャートに表れています。
トランプ政権の4年間は、特にチャート分析の技術が求められるのだと思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で新連載をスタートした田向宏行さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「田向宏行のダウ理論で勝つ副業FX!(月額:4400円・税込)」です。
FXや投資に関する書籍7冊が、計10万部超えの人気を博す田向さんが、100年以上続くダウ理論を基に、チャートポイントやテクニカル分析を配信します。
さらに、トレーダーを孤独にしたくないとの思いから、月2回、Zoomなどでオンライン交流会を実施する予定です! 田向さんに相場の見方を直接聞いたり、メルマガ読者同士で交流したり―――顔出しなしでもかまいませんので、お気軽なご参加をお待ちしています。
10日間の無料体験期間がありますので、「田向宏行のダウ理論で勝つ副業FX!」をぜひ体験してください。
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