日銀の早期利上げ観測が広がる
1月に日銀が利上げを実施し、その後は、今後のデータ次第ということで、いったん話題としては一段落したと思っていましたが、このテーマが再燃しています。
最初のきっかけは、12月の毎月勤労統計でした。5日(水)に発表された毎月勤労統計調査によると、名目賃金に相当する1人当たりの現金給与総額は前年比4.8%増と、市場予想の3.7%増を上回りました。これは1997年1月以来の高水準となりました。」
これを受けて、日銀の利上げが早まるのではないかという見方がマーケットに広がりました。
その後、田村日銀審議委員が6日(木)の長野県金融経済懇談会での挨拶で「物価の過度な上昇を抑えるために、2025年度後半には政策金利を少なくとも1%程度まで引き上げる必要がある」との認識を示しました。
田村審議委員は、これまで2026年までに政策金利を1%程度に上げる必要があるという考えでしたので、利上げのペースを速めたことになります。
この発言を受けて、早期利上げ観測がさらに広がりました。また、赤沢経済再生担当大臣、加藤財務大臣が予算委員会で「現在の日本経済はインフレ状態にある」という発言をしたことも金利上昇、円高の流れを加速させたという指摘もあります。
(出所:TradingiView)
(出所:TradingiView)
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マーケットは円買い一色。米ドル/円は148円台程度までチャートポイントは見当たらない
トランプ米大統領の関税問題で米国の金利が上昇し、米ドル高になるかと思っていましたが、思わぬ形で円買い一色という流れになっています。
チャート的にいえば、米ドル/円が完全に下に抜けていて、148円台程度までチャートポイントはありません。まだ、下がる可能性もあるかもしれません。
(出所:TradingiView)
ただ、IMM(国際通貨先物市場)のポジションなどを見る限り、円ショートポジションが溜まっているわけではありませんので、そろそろどこかで下げ止まるのではないかと考えています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
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クロス円はまだ下落余地がある。必然的に円高になりやすい状況
ただ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に関しては、まだ下がる可能性があると考えています。
やはり、トランプリスクはリスクオフになりやすいことと、米ドル相場のリスクを除いて考えてみると、やはり米国以外の各国はまだ利下げサイクルにあり、日本は利上げサイクルにあるので、必然的に円高になりやすい状況にありますので、もう少し円高が進む可能性があると考えて、トレードに臨みたいと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
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