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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

カナダドルとメキシコペソは大幅に値を崩す可能性があり
要注意! 米国の対カナダ、メキシコ関税が短期間で終わら
なければ、貿易戦争のリスクを市場が織り込む可能性!

2025年02月03日(月)13:48公開 (2025年02月03日(月)13:48更新)
西原宏一&叶内文子

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DeepSeek-R1の話題とトランプ米大統領の関税の話題で、マーケットは乱高下

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内)みなさん、こんにちは。

トレーダー西原 先週(1月27日~)は、このコラムで取り上げたDeepSeek-R1の話題とトランプ米大統領による関税の話題で、マーケットは乱高下しましたね。

 ではまず、先週の株式市場を振り返ってみましょうか?

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は154.50~157.50円のレンジで押し目待ち! トランプ政権の関税報道での下落をうまく利用して、クロス円も押し目買い。中国発のAI、DeepSeekをどう見る?(1月27日、西原宏一&叶内文子)

MC叶内 はい、よろしくお願いします。

 中国発のAIに対する警戒感が急浮上し、1月27日(月)の東京市場から半導体、データセンター関連などが売られました。中国の新興企業「DeepSeek」が低コストで高性能なAIモデルを開発したと米メディアが報じたことがきっかけです。週半ばまではリスクオフムードが続きました。そんな中でもディフェンシブ関連が買われていたのは特徴的です。

 日本時間1月30日(木)早朝のFOMC(米連邦公開市場委員会)、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見に大きな反応はありませんでした。

 週後半はハイテク大手や半導体企業の好決算を受けて買い戻しの動きが強まり、全体相場はひとまず持ち直しました。

 ただ、週ベースではナスダック総合指数は1.6%安、S&P500が1%安と戻りきれていません。NYダウは0.3%高です。

 日経平均は前週末比359円(0.9%)安の3万9572円で終えています。2週ぶりの下落でした。一方、TOPIXは日銀追加利上げなどを受けて上昇した銀行株が寄与し、1.4%の上昇でした。

トレーダー西原 DeepSeek-R1は生成AIが「ChatGPT、Gemini、Claude」だけのものではないということを、マーケットに知らしめたともいえ、AIバブルを暗示しているとの意見もあり、一時ナスダック市場が急落した点は重視しています。

【※関連記事はこちら!】
DeepSeekショックはAIバブルを暗示しているのか? 短期ではリスクオフで豪ドルを対円やスイスフランでショート、中期では米ドル/円の買い場探し!(1月30日、西原宏一)

トランプ米大統領が2月1日、カナダとメキシコに25%関税を課す大統領令に署名。カナダドルとメキシコペソが急落

 これは、為替市場でもリスクオフの動きにつながりました。

 さらにその後、トランプ米大統領が「2月1日(土)にカナダとメキシコに25%関税を課す大統領令に署名」と表明したことで、週明け月曜(2月3日)の日経平均は一時1000円以上急落しています。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 トランプ米大統領の関税署名後、カナダドルとメキシコペソは急落。

 カナダドルは一時、1米ドル=1.4750カナダドルと、2003年4月以来のカナダドル安水準を付けました。

米ドル/カナダドル 月足
米ドル/カナダドル 月足チャート

(出所:TradingView

 米国の関税に報復措置を講じると表明したメキシコの通貨メキシコペソも急落。米ドルはメキシコペソに対し、一時2.4%高の1米ドル=21.181メキシコペソと、2022年3月以来のメキシコペソ安に。

米ドル/メキシコペソ 週足
米ドル/メキシコペソ 週足チャート

(出所:TradingView

 主要通貨に対して総じて米ドル高ですが、米ドル/円の動きが鈍いため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は下落。ユーロ/円は一時159.00円を割り込んでいます。

 次に、今週(2月3日~)のイベントスケジュールを確認しましょうか?

MC叶内 はい、今週は米国で重要経済指標の発表が相次ぎます。

 2月3日(月)にISM製造業景気指数、2月4日(火)にJOLTS、2月5日(水)にADP雇用統計、貿易収支、ISM非製造業景気指数、2月7日(金)には1月雇用統計です。

 そのほか、国内では2月5日(水)に毎月勤労統計、2月7日(金)に景気動向指数が発表、2月9日(日)には中国のCPI(消費者物価指数)とPPI(卸売物価指数)が発表されます。

 決算発表は2月3日(月)の村田製作所、2月4日(火)の三菱UFJ、三菱重工、米アルファベット、2月5日(水)のトヨタ、2月6日(木)の東京エレク、米アマゾン、2月7日(金)のNTT、三井不動産など。

 最大の注目は米雇用統計でしょうが、例年1月分は年次改定の影響で雇用者数の増減数が大きく振れやすい傾向があります。また、今回は山火事の影響もありそうで、多少の悪化は冷静に受け止められそうです。

 市場予想では非農業部門雇用者数が18万人増加、前回25.6万人から伸びが鈍化する見込み。失業率は4.1%で変わらずと見られています。

 景気動向を占ううえで注目されるISM景況感指数は、製造業が48.7と前回49.3から悪化見込み、非製造業は54.5と前回54.1を上回る予想です。

 今週の株式市場は、国内は決算発表を手がかりにした個別の売買が中心になりそうです。トランプ米大統領の発言も引き続き注意。

 そして、DeepSeekショックはいったん落ち着いたように見えますが、その影響についてはまだこれから現れるのかもしれません。AI開発の行方、ソフトウェア企業へのプラスの影響など注目です。

 では、こうしたイベントも含め為替市場の注目点はいかがでしょう?

米国による対カナダ、メキシコ関税が短期間で終わらなければ、カナダドルとメキシコペソは

トレーダー西原 警戒すべきは、米国の関税に対し報復措置を取るとしているカナダドルとメキシコペソ。

 以下はドイツ銀行のコメントですが、カナダ、メキシコに対してかなり弱気に傾いてきました


ドイツ銀行の為替調査責任者ジョージ・サラベロス氏は「貿易戦争のリスクプレミアムを市場は構造的に、また大幅にリプライシングする必要がある」とリポートで指摘。
「この貿易ショックが続いた場合、カナダとメキシコには英国の欧州連合(EU)離脱時よりもずっと大きな経済的影響が及ぶと当社は考える。この両国は向こう数週間でリセッション(景気後退)に陥る可能性がある」と記した。
(出所:Bloomberg)


 米国によるカナダとメキシコに対する関税は短期間に終わるとするエコノミストも多いのですが、前述のドイツ銀行のエコノミストが指摘するように、短期で終わらなければ、貿易戦争のリスクプレミアムをマーケットがリプライシング(価格調整)する可能性が残っています。

 結果、カナダドルとメキシコペソは対米ドル、対円で大きく値を下げる可能性があるため要注意です。

 この米国による関税が短期で終わるのか、長期化するのかが相場の注目点と言えそうです。

トレーダー西原MC叶内 では今週も、株、為替のトレードを楽しんでいきましょう。


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