3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の上昇などを手掛かりに156.08円まで上昇した後、「アラビア海で米空母に接近したイランのドローンを米軍が撃墜」との報道で155.53円付近まで下押しした。ユーロドルは、1.1780ドルまで下押しした後に1.1829ドルまで反発した。ユーロ円は184.20円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、週末8日の衆議院総選挙投開票での自民党勝利観測を背景にした「高市トレード」による円売りと、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感の鬩ぎ合いが予想される。
昨日の日経平均株価は、自民党圧勝観測を先取りして史上最高値を更新したが、「高市トレード」(円売り・株買い)の片割れであるドル円相場は、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感から156.08円までの伸びに留まっている。
ドル円は先日159円台に乗せた後、日米の通貨当局が協調してドル高・円安を抑制する「レートチェック」に踏み切っており、ベッセント米財務長官が実弾ベースでのドル売り介入を否定したものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性は払拭されていない。
高市政権は、物価高抑制を標榜していることで、投開票日に向けて円安を放置していることは避けたいのではないかと思われるため、円買い介入に踏み切る可能性は高いのではないだろうか。
週末に米財務省が発表した外国為替報告書では、現状の円安要因として、これまで通りの内外の金融政策格差に加えて、日本の新政権による財政のさらなる拡張見通しが挙げられていた。ベッセント米財務長官も、グリーンランド問題を端緒とする米国債市場の動揺に際して、「日本の債券市場で『6標準偏差』の値動き」があったことが影響しているとして、片山財務相に日本国債市場の動揺を抑制するように求めていた。
トランプ米大統領もドル安を歓迎する発言をしていたことで、11月の中間選挙に向けて、トランプ米政権は米金利低下とドル高・円安是正を前面に押し出してくることが予想されており、ドル円の上値を抑えている。
日米通貨当局の協調ドル高・円安是正という「レートチェック」により、1月高値159.45円から安値152.10円まで▲7.35円下落した後、半値戻し155.78円(=日足一目均衡表・基準線)に到達していることで、相場格言「半値戻しは全値戻し」の意味合いを検証することになる。
ベア的な意味合いは、半値も戻したことで、半値以上で買っていた向きはやれやれの手仕舞い、半値以下を押し目買いしていた向きは、全値戻しまでの欲を出さないで手仕舞いとなる。
ブル的な意味合いは、半値も戻したことで、全値戻しの上昇エネルギーがあると見なす。
8日に投開票が行われる衆議院総選挙で、報じられている世論調査通りに高市政権が圧勝した場合、ブル的な意味合いとなり、ドル円は159円台まで上昇して全値戻しとなる。
逆に、高市政権が敗北した場合、「高市トレード」の手仕舞いとなるため、ベア的な意味合いとなり、ドル円は昨年10月の高市総裁誕生時の「窓(147.82円〜149.05円)」を埋めて、150円割れの可能性が高まることになる。
1998年6月17日にドル円がアジア通貨危機などで144円台まで上昇した局面で、日米協調円買い・ドル売り介入が行われ、高値144.14円から安値136.03円まで▲8.11円下落した。この時の日米協調介入では、米国が8億ドルのドル売り、日本が2312億円の円買いを行い、合計で約25億ドル規模の介入だった。ドル円は8月に147.64円まで切り返した後、ロシアのデフォルトやLTCMの破綻、FRBの大幅緊急利下げなどで、108円台まで下落していった。
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