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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドルは乱高下しながら総じてじり安か。ウォーシュ次期FRB議長指名も反発は限定的。高市首相も「外為特会ホクホク」発言を訂正など、コメントと火消しでリスク高い

2026年02月02日(月)15:49公開 (2026年02月02日(月)15:49更新)
西原宏一&叶内文子

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米ドル/円は急反発。ベッセント米財務長官の介入否定やトランプ米大統領のウォーシュ次期FRB議長指名で

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

MC叶内 ​先週(1月26日~)は為替が乱高下して大変だったんじゃないですか?

トレーダー西原 そうなんですよ。先週前半は米ドル/円が一気に151.20円まで急落したものの、先週末は154円台後半まで急反発するという乱高下相場となり、みんなちょっとお疲れ気味ですね(笑)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

 それでは叶内さん、まず先週の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 ​米国株は小幅まちまち。S&P500は前週末比0.34%高で3週ぶりに反発しました。週前半、ビッグテックの一角に買いが戻り指数を押し上げました。半導体株も続伸し、SOXは最高値を更新しています。ただ、日中最高値を超える場面があったものの終値では7000の節目を前に押し返されるとじわじわ後退。NYダウは-0.42%、ナスダック総合指数は-0.17%で終えました。マイクロソフトが1月28日(水)の決算発表後、大きく売られたことも投資家心理を冷やしました。AIブームの持続性への不安が再び頭をもたげているようです。オラクル、英アーム、日ソフトバンクGも下げています。

 金などの金属相場も急伸後、波乱となっています。週末・月末でポジション調整の動きもあったでしょう。

 もうひとつの圧迫材料はトランプ米大統領が1月30日(金)、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ氏を指名したことです。ふたりのケビンのうちどちらかと当初から言われていた方なので、驚きはないと思ったのですが、候補者の中では一番「タカ派」として嫌気する向きがあったようです。

 QE(量的緩和)に反対、FRBのバランスシート縮小を主張したことがある点が取り上げられています。ウォーシュ氏は金融危機時にFRB理事をつとめ、政財界とウォール街をつないだことでも有名だそうです。

 なお、FOMC(米連邦公開市場委員会)は4会合ぶりの政策金利据え置きで、無難に通過しました。

 日経平均は前週末比524円(1.0%)安の5万3322円と、2週連続で下落しました。円高進行を受けて安く始まったあとは全体としては買いにくいムード。アドバンテストは超絶上方修正で急伸しましたが、他の半導体関連などには波及しませんでした。とはいえ好業績銘柄の個別物色は盛んです。

 為替市場はいかがでしたか?

トレーダー西原 週初めはトランプ大統領のコメントからスタートしました。

トランプ米大統領は1月27日(火)、「米ドルが過度に下落したとは考えていない」とコメント。アイオワ州での記者団の質問に対し、米ドルが約4年ぶりの安値水準に下落したことへの懸念について「いいや、素晴らしいと思う」と発言しました。

 このコメントを受けて、ドルインデックスは約4年ぶりの低水準に値を崩し、米ドル/円は152.10円まで急落。

 その後、ベッセント米財務長官が「絶対に介入していない」とコメントしたことにより、米ドル/円が153.73円まで反発しました。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は150円割れへじり安か。ベッセント米財務長官が介入否定も、参加者の多くはレートチェックだけと認識。米ドル/円急落でも、110円超え目指す豪ドル/円も注目(1月29日、西原宏一)

 そして極めつきは、トランプ米大統領がFRB議長にウォーシュ元理事を起用したことです。

 トランプ米大統領は「間違いなく歴代の中でも偉大な、おそらくは最高の議長になる。何よりも彼はぴったりの人物で、期待を裏切らない。おめでとう、ケビン!」とコメントしています。

 マーケットは、ウォーシュ氏がトランプ氏の利下げ圧力に抵抗すると信頼したような反応で、米ドルは上昇し、金(ゴールド)は11%下落しています。

 先週はこうした乱高下を経て、米ドル/円は154.78円で引けています。

 それでは叶内さん、今週(2月2日~)の注目イベント、そして株式市場の注目点をお願いします。

短期トレードはなかなか決め打ちできない。何かコメントが出ると、その火消しのような形で、急落と反発が短時間で起こる

MC叶内 ​国内は週末に衆議院選挙の投開票を控え、伝わってくる情勢などに神経質になるかもしれません。各種世論調査などは自民党が単独過半数をうかがう勢いと伝えており、株式市場には追い風となりそうですが、選挙は「みずもの」です。

 決算発表が米国で終盤、国内はまっただなかです。2月4日(水)にアルファベット(GOOG)が10~12月期決算を発表する予定です。AI関連の設備投資の大きさのほうが気にされるのか、総合的な強さが示され成長性が評価されるのか、反応が気になります。2月5日(木)にアマゾン、半導体企業では2月3日(火)のAMDや2月4日(水)の英アームの決算発表もあります。

 国内では2月6日(金)のトヨタが注目です。トランプ関税の影響、為替、半導体価格の上昇など、どうでしょうか。2月2日(月)の村田製作所など電子部品関連も多くあります。三菱重工、ソニー、任天堂なども今週です。

 経済指標では、2月6日(金)に1月米雇用統計が発表されます。このところしっかりした指標が続いていますが、雇用統計でも労働市場の底堅さが確認されると、いっそう利下げ期待が低下しそうです。その前哨戦として、2月3日(火)に12月JOLTS求人件数、2月4日(水)に1月ADP雇用統計が発表されます。

 そのほか、2月2日(月)の米1月ISM製造業景気指数、2月4日(水)のISM非製造業景気指数も注目です。

 なお、2月3日(火)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])政策金利は利上げ観測があります。2月5日(木)にMPC(英金融政策委員会)、ECB(欧州中央銀行)理事会が開かれます。

 為替市場の見通しはいかがですか?

トレーダー西原 まず、週末の高市首相のコメントが一部で話題になっています。


高市首相、円安メリット強調した訳でない
高市早苗首相は1日、円安のメリットとして挙げた外国為替資金特別会計(外為特会)に関する自身の発言について、一部報道機関に誤解があるとした上で、円安メリットを強調した訳ではないと釈明した。
高市首相は1月31日、神奈川県川崎市内での演説会で、足元の円安について、輸出企業に大きなメリットがあると発言。さらに、「外為特会というのがあるが、これの運用が今ホクホク状態だ」と述べていた。
(出所:Bloomberg)


「外為特会というのがあるが、これの運用が今ホクホク状態だ」と述べたことが切り取られる形で、翻訳もされて拡大したため、訂正している模様です。

 しかし、いちいち細かいところを切り取って報道してほしくないですね。これで円安になっても、介入で急落したら、マーケットは極めて無駄な動きとなってしまいます。

 実際に、日米のレートチェックで米ドル/円が急落していたところを、先週はベッセント米財務長官が米国による介入を否定し、米ドル/円の反発を誘引しました。

 次は、トランプ米大統領の米ドル安容認コメントを受け、米ドルが急落したものを、トランプ米大統領がFRB議長にウォーシュ元理事を起用したことで、米ドル反発を演出。

何かコメントが出ると、その火消しのような形で、急落と反発が短時間で起こるのでリスクが高く、短期トレードはなかなか決め打ちできないですね。

米ドルは神経質に乱高下しながらじり安か。ウォーシュ氏が次期FRB議長に指名された影響による米ドル反発は限定的

 一方、金(ゴールド)の急落も気になるところですが、中期での米ドル安の動きは変わらなさそうです。

 個人的に注目しているFT(フィナンシャル・タイムズ)のケイティ・マーティン(Katie Martin)の記事をまとめると、スイスフランに関して次のように考えている模様。


トランプ大統領がFRBに手を出さないと明言すれば米ドル反発の可能性はあるが、それは考えにくく、基本には以下の流れになる可能性が高い
(1)トランプ大統領がWarsh氏に金利引き下げ圧力をかけ続ける
(2)米ドル安が数カ月継続
(3)スイスをはじめ各国が防衛策を取らざるを得ない


 こうした中、やはり気になるのが米ドル安をリードしているスイスフランです。

 2011年以来の高水準となり、強すぎるスイスフランはスイス経済にとって痛手です。小さな輸出依存国にとって、自国通貨高は輸出品が高くなりすぎて売れなくなることを意味するからです。

 それでは、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])は介入するのか? ただスイスは最近、トランプ政権から高関税率の脅威を回避したばかり。ここで為替介入して米国を刺激したくない。

 でも自国経済は困っている。マイナス金利の導入も、国内の金融業界に痛手を与える 。結局、八方塞がりの状態です。

 よって、一時的な反発はあるものの、米ドルは当面まだじわじわと値を下げるのではという意見です。

 ここまでをまとめると、トランプ米大統領が「FRBには手を出さない」と明言すれば米ドルは反発しますが、その可能性は高くないため、結局米ドルは値を下げるだろうといったところです。

 この意味において、中期ではスイスフラン/円やユーロ/円はまだ上がるということになります。

 この円安相場を阻止するのが政府・日銀の介入ということになりますが、仮に今週米ドル/円が反発すれば、その可能性は高いということになります。

 今週はウォーシュ氏が次期FRB議長に指名された意味をマーケットが確認する週になりそうです。

 総じていえば、ウォーシュ氏が指名された影響による米ドル反発は限定的で、米ドルは神経質に乱高下するも、総じてじり安になると考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原MC叶内 ​それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!


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