昨日の海外市場でドル円は、一時157.84円まで弱含んだが、「米国務省は湾岸諸国の米大使館から一部の職員とその家族を退去させる命令を出す準備を進めている」と伝わると、米長期金利の上昇とともに158.34円付近まで持ち直した。もっとも、米政府が当該報道を否定すると伸び悩んだ。ユーロドルは仏財政悪化への懸念が広がる中、仏10年債利回りが2002年以来およそ24年ぶりの高水準を記録。全般ユーロ売りが出て1.1214ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場でドル円は、値幅が一段と縮小し、狭いレンジでの膠着状態が続くと予想する。今週に入り、1日の値幅は19日の85銭、20日の77銭、21日の55銭と明確に縮小しており、ボラティリティの低下が著しい。
来週に控える日米の金融政策イベント(FOMC・日銀金融政策決定会合)に加え、その直後には米中間選挙も控えている。こうした大型イベントを前に、市場参加者は積極的な投機ポジションの構築を手控えている。
本日のアジア時間には本邦対外対内証券投資や韓国中銀(BOK)政策金利等のイベントなどが予定されているものの、市場全体を直接動かす起爆剤としては力不足。「イベント前の静寂」がメインシナリオとなる。
もっとも、レンジが狭まるほど、流動性の薄い時間帯にアルゴリズム取引や突発的なヘッドラインをきっかけとして、一時的にレンジを抜けた後に反転する「だまし」の動きが生じるリスクには注意が必要だ。
ドル円の下値を支える最大のファンダメンタルズは、依然として高水準を維持する米債利回りである。原油先物価格は直近のポジション調整で続落しているものの、絶対値としてはなお高水準。全米レギュラーガソリン価格は1カ月前の4.4786ドルから4.2644ドルへ低下したとはいえ、米インフレ粘着性を意識させるには十分な水準にある。これが米金利の底硬さ=ドル買い意欲の担保となっている。
一方、ドル円の上値を抑える要因として、日銀・財務省による情報発信戦略も意識される。来週の10月会合を前に、日銀が政策金利を据え置く一方、2027年度の物価見通しを上方修正するとの観測が浮上している。これは、10月会合でのサプライズ的な政策変更を避けつつ、追加利上げに向けた地ならしを進める動きと解釈できる。また、その背景には、ベッセント米財務長官ら米政権に対し、日本が為替動向を放置しているわけではなく、金利・物価の正常化を進めている姿勢を示す狙いがあるとの見方もできる。日米双方から過度な円安をけん制する動きが意識される中、159、160円を前にした水準では、戻り売り圧力がドル円の上値を抑える要因となりそうだ。
ドル円以外では、オセアニア通貨の動向にも注目したい。今朝発表されたニュージーランドの7-9月期CPIは、前期比・前年比ともに伸びが鈍化し、市場予想を下回った。一方、昨日、RBA(豪準備銀行)のハウザー副総裁は、来週発表される7-9月期の豪CPIについて、トリム平均インフレ率が「RBAの予想を上回る見込み」と明言した。NZドルにはインフレ鈍化を受けた売り圧力がかかりやすい一方、豪ドルはインフレの上振れ観測が支えとなる可能性があり、両通貨の方向感の違いにも注意したい。
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