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  • 2024年11月15日(金)17時05分

    来週のドル・円「ドル上昇は一服か、日本の為替介入に対する警戒強まる 」

    [ドル・円]
     来週のドル・円は上昇一服か。米インフレの再加速やトランプ次期政権への政策期待で、リスク選好的なドル買いが大幅に縮小する状況ではないが、日本政府による為替介入が一段と警戒され、投機的な円売りは抑制されそうだ。

     11月13日に発表された米国の10月消費者物価指数(CPI)と14日の10月生産者物価指数(PPI)はいずれも前回を上回り、インフレ再加速の可能性が示された。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を伝えている。12月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの追加利下げが見込まれるものの、来年1月の次回会合では政策金利は据え置きとなる公算。追加緩和観測は後退し、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。一方、11月22日発表の日本の10月消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想と一致、または下回った場合、日本銀行が12月に追加利上げを決定する可能性は低下する。

     ただ、1ドル=160円に接近した場合、日本政府は一段の円安阻止に向けたドル売り・円買い介入を実行するとの見方は残されており、日本の通貨当局や政府要人の円安牽制には敏感に反応し、ドル買い・円売りは抑制される可能性がある。

    【米・11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(21日発表予定)
     21日発表の11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は+5.0と、前回の+10.3を下回る見込み。景況感の悪化により株安・ドル安要因になりやすい。

    【日・10月消費者物価コア指数】(22日発表予定)
     22日発表の日本の10月消費者物価指数(CPI)のコア指数の伸びが鈍化すれば、日本銀行による12月追加利上げ観測は後退し、主要通貨は対円で下げづらい展開となりそうだ

    ・ドル・円の予想レンジ:154円00銭-158円00銭

    ・11月18日-22日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。
    ○(日)10月貿易収支 20日(水)午前8時50分発表予定
    ・予想は-3919億円
     参考となる10月上中旬分の貿易収支は-3927億円で赤字幅は前年同期比-57.6%だった。昨年10月の貿易収支は最終的に-7029億円となっており、今年10月の貿易赤字額は前年比で半減する可能性がある。

    ○(日)10月全国消費者物価コア指数 22日(金)午前8時30分発表予定
    ・予想は、前年比+2.2%
     参考となる9月実績は前年同月比+2.4%。政府の電気・ガス価格の抑制策の影響でエネルギー価格の上昇幅が縮小したことが要因。10月については上昇率の鈍化につながる項目が少ないとみられ、上昇率は9月実績を上回る可能性がある。

    ○(欧)11月ユーロ圏製造業PMI 22日(金)午後6時発表予定
    ・予想は46.0
     参考となる10月実績は46.0で9月実績を上回った。10月の新規受注指数は9月の42.2から44.2に上昇。11月については若干の改善が期待されるが、節目の50を数ポイント程度下回る見込み。

    ○(米)11月サービス業PMI 22日(金)午後11時45分発表予定
    ・9月実績は55.0
     参考となる9月実績は55.0。民間サービス業活動は好調さを維持している。11月については、改善は期待できないものの、人の移動は活発であり、10月実績に近い水準となる可能性がある。


    ○その他の主な経済指標の発表予定
    ・18日(月):(日)9月コア機械受注
    ・19日(火):(米)10月住宅着工件数
    ・20日(水):(英)10月消費者物価指数
    ・21日(木):(米)10月中古住宅販売件数
    ・22日(金):(欧)11月ユーロ圏総合PMI、(米)11月製造業PMI

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