米ドル高が進んでいる背景に米大統領選挙とFOMC
先週(11月4日~)もご紹介したとおり、現在2つの大きな背景があって、米ドル高が進んでいます。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は目先151.80-154.50円程度のレンジ想定。トレンド明確にならずトランプ次期大統領の円安姿勢を見極めてはっきりするまでは慎重なトレードを心がける(11月8日、今井雅人)
ひとつは、米国の大統領選挙でトランプ氏が勝利したことです。
もう一度確認しますが、トランプ氏は大規模な財政出動と減税を打ち出していますので、景気回復に期待する声が高くなっています。そのため、長期金利も上昇し、それに合わせて米ドルが上昇するという流れになっているということです。
(出所:TradingView)
2つ目は、米国の金融政策です。11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFF金利(※)の0.25%引き下げが決定されました。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
そして、年内もう一度12月のFOMCで0.25%の引き下げが確実視されています。ただ、その先もゆっくりとしたペースでの利下げが想定されています。
そんな中、先日、米国のCPI(消費者物価指数)が発表になりました。結果は年率で+2.6%と予想どおりではありましたが、前回(同+2.4%)より上昇しました。
今後、FOMCでは現在想定されている以上に利下げのペースが鈍ってくるかもしれません。
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さらなる米ドル高の可能性はあるのか?米ドル/円は160円辺りまでチャートポイント見当たらず
こうした背景が当面変化することは考えづらいので、今後も米ドル高の流れは続くと考えるのが自然です。
では、一体どの程度まで米ドル高が進むのでしょうか?
チャート的に見ると、ユーロ/米ドルは1.04ドル台が当面の下値の目標です。米ドル/円は156円台に乗ってきましたが、チャートポイントは160円辺りまでありません。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
チャート的に言えば、まださらなる米ドル高の可能性は残っていると考えられます。あとは、ポジションがどうなっているかもチェックする必要があります。
先週末に発表されたIMM(国際通貨先物市場)のポジションですが、4万4167枚の円ショートと米ドル/円のロングが徐々に増えてきています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
また、ユーロ/米ドルも2万1653枚のユーロショートと、こちらは前週に比べ、米ドルロングポジションが減っています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
このポジションが本日(11月15日)発表される直近の結果がどう変化しているかに注目をしておきましょう。
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米ドル/円・ユーロ/米ドルでの米ドル買いを中心としたトレード戦略で臨む
トレード戦略ですが、ここまでは、ユーロ売りを中心にやってきました。
トランプ大統領が円安に対して何か言うのではないかという警戒から、米ドル/円の買いは控えていました。
しかし、今回はトランプ氏はSNSなどで、思い付きのように政策を発信するようなことを控えているようですので、来年(2025年)の大統領就任式までは、それほど心配しなくてもよさそうです。
米ドル/円、ユーロ/米ドルなどでの米ドル買い戦略を中心に臨みたいと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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