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 パウエル議長のトークからは目新しいものはないだろうと思われていた。それは先週にFOMCが終わったばかりだからだ。たった１週間で経済情勢が変わったとは思えないからだ。大統領選が終わったので、トランプ氏の語ってきた方針が国の政策になることはやむをえない。だからといって、これもある程度は見越しての金利観測であったは

 CPI、PPIと経て、市場予想とほぼ合致したし、インフレの伸び率もマーケットの期待通りであった。だから12月利下げはこれで完全になるものと思われた。そこへ持ってきてパウエル議長の「急ぐ必要はない」と言うコメント。これまでは良い雇用や消費に抗ってまで利下げをしてきたのに、利下げを続けるのに慎重な姿勢を示したのだ。見方によっては豹変したとも取れる。

 パウエル議長の発言はニューヨーククローズの間際だった。ドル円は156円台に乗せてはいたが、さらにこの発言内容でドルの一段高となった。ユーロドルも同じで、ドルの高値引けとなっている。

 パウエル議長の慎重な発言、これは金利的にはタカ派というべきなのか、これによってドル相場の上押し圧力が高まってきた。ドル円は本日のアジア時間になっても買い意欲が強く、午前場の段階で156.70レベルまで上昇している。ここまで来ると160円台は視野に入ってきたと言える。年内ももつのかどうか。

 もしも国民生活が苦しくなるのを理由に、日本政府が為替相場で再び実弾介入をするようなことになれば、今回はまた160円超えで出動すると考えるのが妥当なところだろう。以前は160円台がイヤだから介入したのに、今回はパスすると言うことは理に合わないからだ。それにしてもマーケットではぜんぜん介入のトピックが出てこないのは、日銀総裁の「時間的な余裕がある」としたコメントに信頼を置いてのことだろうか。

日本時間 15時30分

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