こんにちは。
東京は本日も31度の猛暑です。熱中症と紫外線対策には、十分に注意したいですね。
■ギリシャ問題一服で「ヘッジ外し」が行われている
ギリシャの債務問題に揺れるグローバルマーケットですが、6月29日(水)にギリシャの緊縮財政法案の採決が行われ、賛成155票と棄権によって可決しました。これは、先週行われた内閣信任投票以上の差です。
これでギリシャ問題が収束に向かうと考えている市場参加者はいないのでしょうが、多くのプレイヤーが「否決された場合に備えたヘッジ」をかけていたため、結果判明後は、さまざまなマーケットでヘッジの買い戻しが断続的に行われているもようです。
たとえば、欧州周辺国の国債のスプレッド(金利上乗せ幅)は縮小し、欧米株は上昇、原油価格はショートカバー(売り方の買い戻し)が起きています。
また、リスクオフに備えてのスイスロング(スイスフランの買い持ち)の売り戻しや、ユーロの買い戻しも出ています。
全体的には「risk on」の流れとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
一連の動きを見ていると、プロのファンドマネジャーが悲観的なシナリオに傾き過ぎて、ムダなヘッジをしていたようにも思えます。
その点を友人のファンドマネジャーに聞いたところ、「大切な資金を運用している立場としては『最悪のシナリオ=ギリシャのデフォルト(債務不履行)』の可能性が高まっているときにヘッジをしないワケにはいかない」とのことでした。
これはある意味、プロとして当然のスタンスですね。
■今週末は欧米勢のユーロ/米ドルのショートカバーに注意
さて、6月30日(木)の為替市場でも「ヘッジ外し」と見られるユーロの買い戻しが断続的に持ち込まれているため、ユーロ/米ドルは1.4500ドルのstop loss(損切り注文)を巻き込んで、一時は1.4519ドルまで上昇しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
ただ、アジア時間にユーロ/米ドルが一方の方向に進むと、同日のNY市場で強烈なカウンターが入る可能性があるため、高値追いは禁物です。
今週のユーロ/米ドルの動きを振り返ってみると、マーケットのセンチメントとは裏腹に、大きく売り込まれる局面はあるのですが、日足ベースでは連日で陽線引けしており、マーケットには依然としてユーロ/米ドルのショート(売り持ち)が残っていることがうかがわれます。
加えて、来週月曜日は米国市場が「independence day」の休場であるため、今週末は欧米プレイヤーのユーロ/米ドルのショートカバーに注意すべきでしょう。
■短期的には、スイスフランは反落する可能性が高い
次に、マーケットで注目されているのがスイスフランです。
ギリシャのデフォルトという万が一のリスクに備え、マーケットでは避難通貨であるスイスフランの買いが収まらず、連日スイスフランは最高値を更新しています。
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